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大事な時に検査をしないで、必要でない時に検査をする医師

 

 また、耳鏡、眼底鏡どころではありません。ニッポンには聴診器を使わない医師がいると聞いて、私はどれだけ驚いたことか。特に、お年寄りの患者さんには必ず頸動脈、大動脈、腎動脈、股動脈の走る部分に聴診器を当てるのが、医師の常識です。頸動脈などに聴診器を当てて、これらの動脈に動脈瘤や動脈血栓症かおるかないか調べなければならないからです。さら  に、肛門から指を入れて、直腸ガンや前立腺ガンがあるかないかも調べないようです。

 

 何も良医と呼ばれなくてもこのように綿密に診察すれば、思いがけない疾患が見つかるものなのに、ニッポンの医師は病気を見つけようという努力すらしないのでしょうか。

 

 最近、大半医学部を卒業した医師が聴診器を使わないとNHKの特別番組で放送していました。厚生省は、医師たちが診察を綿密に行おうと、手抜きをしようと、同じように定額の診料報酬を病院や医院に払います。しかし、その診料報酬は、韓国の半分にもならないし、アメリカの四分の一です。

 

 そうなれば、医師たちが収入を増やそうとすれば、患者数を増やし、薬や検査に頼らざるを得ません。ここに、ニッポンの薬漬け医療や必要のない検査ばかりの医療がまかり通る理由があるのです。実際、できるだけ多くの検査をすることを指示する病院長が多いというのもある意味では仕方がないことかもしれません。

 

 たとえば、機器が分析するホルダー検査は、診察料の五倍ですし、CTもかなり高額な収入になります。アメリカでは、ここ数年、診察料は上かっていますが、検査料は次第に安くなっています。それに反して、ほとんどのニッポンの病院では、高価な機器を買い、その減価償却を兼ねた金儲けを考えています。ですから、世界でニッポンほど、CTの数の多い国はないといわれるのです。

 

 大事な時に検査をせず、必要でない時に、金儲けのために検査をする。

 

 いまニッポンの病院であ・れほど検査をしているにもかかわらず、医療ミスが頻繁に起こっているのは、これが大きな原因のひとつだと言ってもいいでしょう。

 

『名医発見』中野次郎著より