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良いホームドクター(主治医)選びの条件

 

 もちろん、アメリカのような客観的に判断できるデータベースが存在しませんから、はっきり言えば、患者さんが自分の力で良い医師を選ぶことは困難だということです。しかし、「良医」を選択できないと悲観することはありません。

 

 どの国にも、いろいろな社会的な困難にもかかわらず、素晴らしい医師は存在しているのです。そうした医師をどうしたら見つけ出すことができるか、そこに患者さんの「命」がかかっていると思って間違いありません。

 

 そこで、私は、ある条件を考えてみました。この条件をもとに、患者さんたちは努力して探せば、信頼できる、良いホームドクター(主治医)を見つけることが可能だと信じます。

 

信頼できるホームドクターを選ぶ条件

 

A初診前に患者さんが求めておくべき医師の情報

 

  (1)「名医」より「良医」を探すことが大切。その際、学歴よりも職歴を知ろう。

 

  (2)友人や知り合いの医師や看護婦さんによく聞いてみて、評判のいい医師を探す。

 

  (3)賭博をする医師、ゴルフに夢中の医師、アルコールや薬依存および喫煙する医師は除外。

 

  (4)不倫の噂がある医師や、家庭が円満でない医師は避ける。

 

  (5)威張る医師、不親切な医師、冷たい事務的な医師は前もって回避する。

 

B最初にかかった時の医師の印象等による判断基準

 

  (1)医院、特に診察室が清潔で、整頓がゆき届いているかどうか。

 

  (2)事務員さんや看護婦さんが礼儀正しく、親切で優しいかどうか。

 

  (3)予約しか診療時間通りに、快く診てくれるかどうか。

 

  (4)医師のふだんの身なりが清潔で、服装が派手でないかどうか。

 

  (5)医師が初診で自己紹介をし、決して威張っていないかどうか。

 

  (6)問診、診察もていねいで、患者さんの言い分をよく聞いてくれるかどうか。

 

  (7)視診、触診、打診、聴診の順に、ていねいに全身を診てくれるかどうか。

 

(8)診察の後、はっきりと診断結果を告げ、診療プランを提示してくれるか、どうか。

 

(9)患者さんの質問に満足するまで説明をしてくれるかどうか。

 

(10)生活習慣を改めない患者さんに対しても つねに励まし、ときには叱ってくれるかどうか。優しさを売り物に甘い言葉で騙す医師には注意。

 

(11)頼めばカルテを開示し、検査結果のコピーをくれたり、海外旅行の際に、診断書、服用している薬の一般名を英語で書いてくれるかどうか。

 

(12)自分が手に負えない場合、患者さん側から言わなくてもほかの医師のコンサルテーション(対診)を依頼するか、専門医を紹介してくれるかどうか。

 

 以上が患者さんが数多くの医師のなかから、自分の体のことを本当に心配してくれるような信頼できる医師を選ぶ「基準」ですが、ここで注意すべきは、医師も人間ですから、ときには、一時的に不覚にもこれらの条件を満たさないことがあるかもしれないということです。ですから、たまたま、これらの「良医」すべての条件に当てはまらないからといって、それだけで医師を判断することは危険です。

 

 やはり、本当に信頼できる医師を見つけるには、長い問、医師を見ていることも肝心で、そのことによって、より医師の人間像が明確になり、信頼が厚くなることも多いわけですから。

 

 次に、医師側は、どんな理想像を持ち、患者さんやその家族のためにどのように尽くしたいと思っているか、そのあたりを探ってみましよう。

 

C医師が考えるホームドクターの理想像

 

  (1)患者さんと家族についての健康問題のみならず、家庭問題までも熟知しているが、プライバシーを遵守し、彼らの医療間題について家族にも話さない。

 

  (2)挨拶をし、優しいが、患者さんの治療や服薬を遵守しない習癖、喫煙、暴飲暴食、肥満症などに対して、その悪習慣を親のような気持ちで叱責する。

 

  (3)クリュック(診療所)を整理整頓して、静かな音楽を流し、絵画や芸術写真を壁に掛け、医療雑誌、テープ、ビデオを待合室に設備し、来診する患者さんに、待ち時間を快く過ごせるような工夫をする。

 

  (4)時間の許すかぎり、ボランティアとして定期的に大学病院または研修医指定病院で、医学生、研修医のベッドサイド臨床医指導をする。

 

  (5)病院、医師会、大学での持続医学教育に出席して、絶えず医学の進歩を勉強する。たいていの医師たちは、ランチョン(昼食)会議に出席する(アメリカでは、救急室以外は正午になると、すべての診療所、医院、外来が閉鎖されますから、昼食時に医師が集合することが可能であり、ランチョンーミーティンダが多い)。

 

  (6)患者さんや家族の診療のみならず、家族問題の相談に乗るカウンセラーの役割も果たしたい。患者さんの冠婚葬祭にも参加したいし、自分か死を看取った患者さんの葬式  には必ず参列する。

 

  (7)ライオンズークラブや患者さんの会などの、社会奉仕、慈善事業や運動に、積極的に参加するように努力する。そして、市民医学講座などに参加して、講演する。

 

 患者さんの信頼を勝ち取るために、こうした数々の理想像を持っているだけでなく、これらを実践している医師もたくさん存在していると思います。意外にあなたの身近にいるかもしれませんから、こうしたいくつかの「基準」を参考に、自分の「良医」を見つけてください。

『名医発見』中野次郎(元オクラホマ大学医学部教授)著より