医療英語の翻訳会社BEST3

医学論文・治験文書・症例報告書・医療機器マニュアルなどの英語翻訳サービス

骨髄移植と病院経営

 

 骨髄バンクが本格的な稼動を始めたら、施設的な問題として、増えるであろう骨髄移植をこな  万しきれないという話は、これまでにも問題点として取り上げられている。何しろ無菌室が足りないのである。それでは現在、無菌室を持つ病院とは、どういう病院なのであろうか。それは、ほとんどが国公立の病院か、大学病院である。大学病院でも私立大学病院は少ない。

 なぜかといえば、骨髄移植は病院経営上「わりに合わない医療」だからである。骨髄移植をすればするほど、病院は赤字を出してしまうのである。赤字を覚悟で、それでも骨髄移植をやっていくことができる施設は、住民サービスの一環としてやっている国公立の病院か、研究費名目で別の所からお金を持ってこられる大学病院のようなところになる。少なくとも、赤字が出ることを分かっていながら骨髄移植に手を染めてみよう、という民間病院があるわけはない。

 では、どうして骨髄移植をすると病院経営では赤字になってしまうのだろうか。何しろ骨髄移植を行うのには、無菌室を作らなければならない。無菌室を作るにはたいへんなお金がかかる。無菌室のいつも清浄な空気が流れてくる壁面には、特殊なフィルターが取り付けられているが、そのフィルターはアメリカ航空宇宙局NASA)が開発したものといわれ、この無菌室を作るには、一室数子万円の設備投資が必要だという。

 ただ無菌室があれば骨髄移植ができる、というものでもない。スタッフも揃えなければならない。医師は当然であるが、看護婦の負担がたいへんである。無菌室にいる患者一人に一名以上の看護婦がいないと、無菌室看護は難しいといわれている。それに、無菌食を作る栄養科のスタッフも必要になってくる。

 では、こうした病院で当然かかる経費を回収できないから移植をすると赤字が出るのであるとするならば、どこに問題があるのだろうか。どうすれば問題の解決点を見いだすことができるのだろうか。