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非血縁者間骨髄移植に関するその他の費用

 

 もう少しくわしい金額の説明をしておこう。まず患者登録料の一万円であるが、患者登録は病状がどう変化しているかをチェックするために、ドナーが見つかっていない患者の登録は六ヶ月ごとに更新していくことになる。その更新時にも一万円か必要であり、六ヶ月ごとに支払っていくことになる。また、二次検査での適合ドナーが見つかってMLC検査となった時の検査費用が患者の実費負担となると書いたが、このMLC検査費用が実は大きいのである。

 もしも二次検査で複数の適合者がいた場合は、最大五人のドナー候補に対してMLC検査が行われる。ドナー一人に対する検査費用は約一〇万円である。このMLC検査を同時に複数の検査ができた時の費用は二人で一五万円、三人ならば二〇万円だそうである。ドナーの都合でMLC検査は行われるので、ドナーが複数揃って検査となることは少ないであろう。そうなると一人ずつ10万円がかかることになる

 患者が非血縁者間の骨髄移植を行うのに必要な費用は、これまでにあげてきたものだけでは済まない。まず、患者登録するには、患者本人のHLA検査は当然のこととして、兄弟姉妹と両親のHLA検査も行い、そのデータも提出しなければならない。何故そういうことをするかと言えば、HLA型データは両親から受け継ぐものであり、患者のデータをより綿密に把握するということと、血縁者に本当に適当なドナーがいないかどうかを判断するためのものである。この患者と家族のHLA検査費用は、本人が負担することになる。

 この検査のための検査費用は、医療行為とみなされないため、健康保険の適用は受けられないのである。このHLA検査費用が馬鹿にならない。家族四人が検査すれば、それだけで十数万円は覚悟しなければならない。

 それでは、骨髄提供を行うドナーに関する費用はどうなっているのだろうか。一次検査(登録時)と二次検査にかかわる交通費をはじめとする費用は、一切がドナーの自己負担である。つまりドナーは自分の財布をはたいて、おまけに入院して、麻酔はあるとはいうものの痛い思いをして、患者を救おうという善意の人である。しかしながら、MLC検査以降、骨髄提供して家に帰るまでにかかる費用は、患者が負担しなければならない。例えば交通費や、骨髄提供や入院に必要な物品(T字帯など)購入の費用といった諸々の雑費、そして入院時にもしも個室しか空いていないときに支払わねばならない差額ベッド料などである。

 こうした費用は、一切健康保険の適用外である。全額患者が実費を負担しなければならない。ただし、確定申告時に医療費控除の対象となるから、所得税の点では軽減がはかれると思う。しかし、そのへんがどうなっているのかは、税務署に聞いてみなければわからない。

 でも、ここでしっかりと認識しておかなければならないのは、ドナーが患者に提供してくれる骨髄は、完全に「無料」ということである。だれかが、大金を用意して、どこかに行っても、いくら探しても、骨髄は売っているものではない。骨髄提供は何の見返りもない、まったく無償のボランティア行為である。何か得る物があるとすれば、「だれか知らない患者に、新しい生命を与えることができた」という、ささやかな満足感だけである。