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骨髄移植と医療費

 

 病気が治るのであるならば「お金」のことなど問題にならない、という方もいるとは思う。でも、これからは少しばかり「お金」のことにこだわっていってみたい。というのは「お金」のことを考えていくと、今何が問題であり、どこをどう改善していったら良いのかが見えてくるからである。物事がうまくいかないのは「お金」の問題が原因、ということが実に多いのである。

 まずは、骨髄バンクにはいくらお金がかかり、骨髄移植を行うにはいくらお金を用意すべきなのか、患者サイドに立ってそのへんから展開していこう。

 骨髄バンクヘの患者登録の実際

 とにかく非血縁者間の骨髄移植を決断したとしよう。骨髄バンクをとおしてドナーを探してもらうことになる。

 バンクへの登録は、主治医が決められた書式の申込書に、患者の病気に関する情報を細かく記入する。そしてその患者にとって本当に非血縁者間骨髄移植が有効かどうかの判断が、骨髄移植推進財団の中央調整委員によって検討され、「骨髄バンクに登録する適応がある」ということになれば受け付けられる。この受付の了解がでたときに登録が決定し、登録料として一万円を支払う。

 登録が完了すると、患者のHLA型データと登録ドナーのHLA型データが、コンピュータで検索にかけられる。適合するドナーがその時点でいなくても、毎日決められたインターバルで検索は繰り返されていく。それは、日々新しいドナーが登録されるからである。この段階のHLA型データの検索は、HLAのA座とB座の適合を見る。そして適合ドナーがいると、そのドナーに二次検査の通知が行われる。

 そのドナーは、日本赤十字社の各地の血液センター内に設けられている骨髄データセンターを訪れて、二次検査でHLA型データのDR座を検査される。二次検査を受けるのは、患者一人にドナーが一人とは限らない。一次検査で適合しているドナーが複数いれば、その全員に二次検査のお願いがいくようになっている。

 ドナーの二次検査の結果、適合者がいると、骨髄移植のためのコーディネート業務が始まる。この段階で、患者はコーディネートの費用として七万円を納める。コーディネーターが直接ドナーに会い、骨髄採取に関するさまざまな点の説明をすることになる。そしてMLC検査となり、患者の血液とドナーの血液が採取され、混合リンパ球培養検査が行われ、二人のHLAによる相性が検査される。財団では、MLC検査を民間の検査会社に委託して行っているが、この検査料の実費を支払わなければならない。

 このMLC検査の結果が移植可能となり、なおかつドナーの骨髄提供意志が確認されれば、いよいよ移植ということになって、移植の準備が始まることになる。この時点で患者は、ドナー補 償保険の保険料として一八万四〇〇〇円を支払わねばならない。このドナー保険は、骨髄採取が麻酔下で行われるために、万が一のことを考えて最高一億円の保険金が支払われるように、用意されているものである。以上が、患者登録から移植にいたるまでの大まかな流れである。

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