治療選択の最終決定権

 

ドクターたちによっても治療法の選択に関しての考え方は決して一様ではない、ということが分かっていただけたと思います。それに付随して、患者さんの意志決定はどうやって行われるのか、特に成人の場合の治療法の最終決定権はだれにあるのか、ということがひじょうに大きな問題になってきていると思います。

 小児科ですから、ご両親に対してかなり十分な説明をしてきましたが、それが成人の場合ではなかなかご本人にきわどい話がしにくいために、主治医の先生の個性がひじょうに強くでてしまい、悩まれている方が多いという感じがしています。

 ところが最近は、中学生や高校生の患者さんに最初から白血病を告知しよう、というご両親が増えてきました。また私どもの病院では、原則として中学生や高校生に病名をしっかり説明して、副作用のことも説明しています。とてもたいへんなこともありますが、それで良い方向にいっているように思います。そして直接その中学生、高校生のご本人がかなり鋭い質問をこちらに向けるようになりまして、今度はご両親とわれわれが悩むという局面も少し増えてきた、というように思います。

 例えば、再発して化学療法を何度か施行しても再度寛解にならない場合、「治る可能性がないのであれば、もうこれ以上つらい抗ガン剤の投与は中止してほしい」と主張する子も経験しました。何しろ、医師と良く話し合って、病気の状態がどうなってるのかをまず良く知ることが第一です。