小児の急性リンパ性白血病と初回寛解時の移植

 

 子どもの急性リンパ性白血病(ALL)では、どのような患者が最初の寛解で同種骨髄移植を受けるべきか

 リスクの高い具体例として、次のようなものが上げられています。まず一歳未満の赤ちゃんの場合、ひじょうに少ないんですがB細胞型の急性リンパ性白血病フィラデルフィア染色体が陽性の場合、白血球の数が五万以上で多い場合、それから寛解導入療法に六週間以上と時間がかかる場合、「CNS」というのは最初から中枢神経系に浸潤している場合、「MlXED」はリンパ性でありながら骨髄系の抗原がでているような場合、さらにはそういったリスクを二つ以上持っているような場合-こうした場合に同種骨髄移植をお勧めするかどうか、という質問というわけです。

 こうしたリスクをもつ子どもの急性リンパ性白血病に対して、骨髄移植を推薦するかどうかの三つの専門家群の解答がでています。この中でいちばんパーセンテイジが高いのが、フィラデルフィア染色体が陽性の急性リンパ性白血病であると、三つの専門家グループの意見は一致しております。

 子どもさんの急性リンパ性白血病でありましても、化学療法では予後が難しいと考えられるハイリスクの患者には、ひじょうに初回寛解での移植が勧められるというわけです。白血球五万以上で三五~四七パーセントの専門医が同種骨髄移植を勧めているというのは、私個人としては高すぎるのではないかと思いますが。白血球数のみがリスク因子となっている小児リンパ性白血病の予後は改善しつつある、というデータが出つつあるところです。

 それからB細胞型の急性リンパ性白血病も、最近の化学療法の成績を見ますと、六〇パーセントから八〇パーセントという数字が出つつありますから、五九~六七パーセントの専門医が骨髄移植を勧めるのは、多すぎるのではないかというふうに考えます。

 ところで、そういったリスクがある患者さんで移植を考えた人がいて、「六ヶ月間寛解が続いた状態で、なおかつ移植を勧めますか」という質問に対して、「勧める」と答える医師が半分いるのですが、これも実際には治療経過が良くても、徹底した治療を専門家が勧める傾向にあることを示しています。

小児晩期に再発した急性リンパ性白血病の場合

「治療が終了して一年半経過して再発した子どもの急性リンパ性白血病(ALL)はどのような治療法をとるか」という、かなり頻度の高い症例の質問です(Q9)。

 「ひじょうに強力な化学療法を勧める」というのが二五パーセント、残りが「移植を勧める」、そのほとんどが第二寛解期に移植するというものです。それでも、化学療法が四分の一もあるのは、子どもの急性リンパ性白血病のひじょうに晩期に再発した方は、この強力な化学療法でまた治るチャンスがあるということが認められているのを、これは反映しています。