小児のけいれん性疾患

 

 小児期には、ひきつけとかけいれん症状がしばしば認められる。これらのけいれん症状は、てんかんの症状と類似しているため、てんかんと誤って処置されやすい。

 小児で見られる小児けいれんを原因別に分類したものが表10- 3 である。これからもわかるように、てんかんは脳自体から自生し、慢性反復性のものを言うのであって、一過性のけいれん症状や脳以外に原因があるものはてんかんとは呼ばない。しかも、小児期にみられるけいれんのうち大半は、てんかん以外のけいれん性疾患にもとづくものである。以下、小児でみられるてんかん以外のけいれん性疾患の主なものについて述べる。

 憤怒けいれんは、2~3歳頃によくみられるもので、激しく泣いている時に呼気の状態で息を止めてしまい、チアノーゼが出現して顔面蒼白となり意識を失う。その後あえぎながら呼吸が再開され意識が回復するが、そのまま眠ってしまうこともある。憤怒けいれんは、泣き入りひきつけとも呼ばれ、神経学的には異常はない。これは、息をこらえることにより胸腔内圧が上がって迷走神経性の反射がおこることによってひきおこされるものであり、予後は良好で成長とともに消失してしまう。

 ヒステリーけいれんは、てんかん発作と類似した症状を示すが、覚醒時、人のいるところで発作はおこり、心理的葛藤が原因となっていると考えられている。好発年齢は、7歳頃から思春期にかけてであり、脳波上には、突発波は認められない。

 また、なんらかの原因によって血液循環が短時間停止したり、脳血流量が極端に減少すると意識を失って倒れたりする失神発作がある。これは、心臓性疾患や脳血管障害などの原因でおこるほか、長い時間立った状態で生じる起立性調節障害による失神などもある。脳波上では、てんかん波は認められない。

 このほかに小児のけいれん性疾患としては、体の一部分の不随意運動がくり返されるチックや窒息、低血糖などによって生じるけいれんもある。また、高温発熱に伴い、全身性のけいれん症状を示すものは、熱性けいれんと呼ばれている。熱性けいれんは、1~3歳頃に好発じゃすく、高温発熱時に強直発作や強直間代発作症状を示す。熱性けいれんは、一般に予後は良好であるが、これが反復したり、発作時間が長いような場合は、てんかん発作として、抗てんかん剤の服用をすることが必要となってくる。