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脳性マヒの早期発見

 

 脳性マヒに限らず、障害の早期発見は、早ければ早いだけ障害の重度化、固定化を少しでも軽減するうえで決定的である。この間障害児、要経過観察の子どもについては適宜呼び出したり、訪問などして相談・指導にあたる未受診者および転入者に対して、電話、ハガキ、家庭訪問などで健診受診をすすめている。

 とくに、前述のように脳性マヒについては最近の早期診断による早期治療の方法が目ざましく進んで、「脳性マヒ」の概念すらもかなり変えざるをえない成果をもたらしており、なおいっそう強調されるところである。この点でもっとも注目されるのは、大津市が行政レベルで実施してきた乳幼児の健診体制である。大津市が実施している乳幼児健診の流れの概要である。このシステムは1974年に開始され、「乳幼児健診・大津・1974年方式」として知られている。この体制の特徴は、①すべての乳幼児を把握し、受診もれをなくしていること。②一人ひとりの健診結果を一貫して縦断的に追跡把握すること。③子どもの総合的な発達診断・評価を実施するため、独得な健診・相談チームを編制していること。④発達的な視点を全関係者がしっかり把えるように意識的に追求していることなどがあげられる。

 現在では、このような大津方式に学んで、いくつかの自治体や単位保健所で、出生乳児の全員をもらさず把握する努力が積み上げられている。

 障害発見の主要な手順としては、
 ①「危険因子」のチェック
 ②早期症状のチェック
 ③発達のチェック
 ④専門医による診察

というように(鈴木順子、 1984年)、全面的な目配りが必要であり、そのためには、母親、保健婦と看護婦、心理判定員、医師など各領域からの共同協力が重要となる。

 従来しばしば「診断が決まるまで様子をみてみよう」ということから、かえって早期の治療の手だてを遅らせ、障害を進行させる結果となった例は数限りない。上記の鈴木のいうように、早期診断は早期に「診断名を下す」ために実施するのではない。一刻も早く、可能なかぎりの治療と予防を行なうための健康診断なのである。