先天性奇形:水頭症、小頭症、風疹症候群

 

 先天性奇形という概念は、遺伝子レベル・染色体レベルおよび受精後の胎生期レベルでの種々の原因による形態の異常をいう。原因については前節で述べてあるので、ここでは先天性奇形のうちで知的発達の障害を伴う主なものについて述べる。

 (1)水頭症(hydrocephaly)

 水頭症とは、髄液が頭蓋内に異常に貯溜し頭蓋内圧が亢進しそのために頭蓋が著しく大きくなるものである。髄液が脳室に貯溜する内水頭症と、くも頷下腔に貯溜する外水頭症がある。いずれも頭蓋内圧亢進のため脳実質は圧迫され薄くなる。

 症状としては、頭蓋の拡大、眼球下方転位、眼球振盪、斜視、ひきつけ、知能障害などである。

 原因は、トキソプラズマ症、髄膜炎、先天性梅毒などの感染症や原因不明の発生障害および後天性の感染症や腫瘍によるものなどがある。

 (2)小 頭 症

 小頭症とは、標準の頭囲より-3標準偏差の偏よりがあるものをいう。小頭症は症状の一つであるから、その原因はさまざまである。原因の主なものは、遺伝性、胎生期初期の放射腺被爆、周生期障害などである。

 小頭症は頭蓋が小さいために、大脳も小さく知的発達の障害をもたらす、また、中枢性運動障害やけいれんもみられる。

 (3)風疹症候群

 胎生期に母体が風疹ウィルス感染をうけた時に、聴覚障害白内障、先天性心臓疾患、知能障害などの症状を伴った児が出生する。特に妊娠3ヵ月以内に母が風疹に罹患した時に、風疹症候群児が出生する危険率は30~40%といわれている。