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筋の熱産生

 体温のもとになる熱エネルギーは、代謝過程(栄養素の酸化分解)から得られる。したがって、代謝の活発な肝臓、腎臓、心臓などは、単位重量あたりの熱産生量が多い。しかし、熱発生の総量のうちで占める割合からすると、体積の大きい骨格筋が最大である(約60%)。

 骨格筋は収縮の種々の段階で熱を発生する。筋の短縮時に、ATP分解により熱が発生するので、一般にATP分解の進行する短縮一つまり等張性収縮時の方が、短縮のおこらない等尺性収縮よりも発生熱量が多い。言いかえると、物の移動という仕事をすれば、熱発生も多くなる。

神経・筋の機能単位

 骨格筋は、上述のように神経(運動ニューロン)からの活動電位をうけとってはじめて収縮する。これを筋にたいする神経支配というが、1本の運動二ユーロンの終末が枝分かれして、複数の筋線維を支配するのが普通であり、その割合を神経支配比といっている。粗大運動を営む大型の筋(大腿筋など)は1 : 100以上であり、微細な運動をおこなう/卜さな筋(口輪筋や眼筋など)は1 :10程度である。このような運動ニューロンとそれに支配される筋線維群は、一体となって同期的に働くことから、神経筋単位または運動単位とよんで、ひとまとまりとして扱うことが多い(neuro-muscular unit、 NMUまたはmotorunit、 MU)。注射針のような電極を筋中に剌入すると、筋の活動電位、すなわちNMUの活動の様子をとりだすことができる。筋の活動だけをみても、それに先行して作用する運動ニューロンの活動を反映することになるからである。こうして筋にたいする神経支配の実態をNMUの放電によってしらべる。これを針電極筋電図とよぶ。 NMUの放電の規則性のちがいによって、速動性NMUと持続性NMUに分けられる。前者はある程度の筋収縮に達すると安定した頻度で放電するものであり、動作に関与するような手指の筋などによくみられる。後者は収縮の程度によって、いろいろな間隔で放電するが、一定収縮状態では、その分散が小さいもので、姿勢の維持など持続的な収縮をつづける下腿筋などにみられる。

 体表面に平板な金属電極をあてると、その直下の筋の活動電位の集合された電気活動がとりだされる。これは表面(電極)筋電図といわれる。表面筋電図は、個々のNMUの様子はわからないが、筋全体としての活動の様子が反映され、また、かなり活発な運動のときも記録できるという利点がある。

 NMUを通して、さらに脊髄機能を微細なユニットレベルでしらべたり、診断したりするには針電極筋電図が、またいろいろな動作時の各種筋の作動の様子や相互関係など、運動学的な研究や検査には、表面筋電図が活用される。

 

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