同種骨髄移植ドナーの発見確率

 

 

* ワンローカス-ミスマッチ-骨髄移植の前提としてドナーとレシピエントのHLA完全一致が原則であるが、一座不適合の関係をワンローカスーミスマッチと呼ぶ。実際には患者が骨髄移植以外に病気を克服できないと判断された場合で、血縁者のドナーにほんの一部分HLA不適合の部分があっても他は全部一致している場合に限り、そのドナーからの骨髄移植を行うことがある。当然のこととして激しいGVHDを覚悟しなければならないが、それでも成功している例はかなり報告されている。ちなみに、HLAが二座不適合の場合を、ツーローカスーミスマッチと呼ぶ。

 

 その調査の結果、全国の血液患者二八四〇例中の一三二一例、実に四六・五パーセントの患者に骨髄移植を受けさせるべき、と主治医は考えていることが分かりました。これはHLA一致の血縁者がいない患者さんです。血縁者でドナーのいる患者さんは年間で五〇〇人はおりますから、一年間に一五〇〇~Ⅱ〇〇〇人が骨髄移植を受けたほうがよいとみなされていることになります。骨髄バンクが大きくなれば、移植施設の不足がますます深刻になっていくことは目に見えています。

 

 ところで私たち医師としては、移植の総数が増えるということの他に、非血縁者間移植が拡がるとGVHDもこれまで以上に深刻になることも考えておかなくてはなりません。実際にアメリカでは、血縁者よりも非血縁者のほうが倍以上の確率で重症のGVHDが発生すると考えられています。日本人は均質とはいっても、非血縁者間骨髄移植のGVHD発生頻度が高くはないとはまだ断言はできません。

 

 そうは言っても、本来なら亡くなっていく方たちを救える唯一の治療として今、骨髄移植は非血縁者間まで広げていく努力は続けるべきでしょう。十字先生(東大医学部輸血部教授・現日赤中央血液センター所長)たちの研究によりますと、日本は、非血縁者の中からHLA一致のドナーを探せる確率は、北米や欧州から比べると約一〇倍くらい高い、すなわちおよそ八〇パーセントの患者のドナーを探すのに、約五万人のバンクがあればいいということですから、非血縁者間移植は広がっていくのは間違いないでしょう。GVHDの研究の重要性はますます増していくでしょう。