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注目のサイトカインと今後の展開

 

このG‐CSFは生理活性物質であるサイトカインの一つです。このようなサイトカインは他にもたくさんあります。これらが最近、G‐CSFと同様に遺伝子工学技法を用いて量産できるようになってきました。それらのいくつかのものは、いろいろな目的で骨髄移植においても薬として利用できる可能性が検討されつつあります。例えば、血小板回復促進のため、インターロイキン6や11などが、また免疫能の回復促進や再発の防止にインターロイキン2などが役立っだろうと考えられております。

 

 また、サイトカインを前処置にうまく使うことで、抗腫瘍効果(ガン細胞をたたく効果)を増大させることができる可能性も出てきました。私どもの研究所では、骨髄性白血病の際にG‐CSFを前処置で併用するという方法を考案し、白血病の再発率を下げるという、期待できる成績を得つつあります。さらに、造血幹細胞を増やすためにサイトカインを使うことも研究されています。

 

 このような多岐にわたるサイトカインの利用は、骨髄移植のあり方や方法も将来変えていくことになるかもしれません。今後の期待される展開は表4のようにまとめられると思います。日本の非血縁者間骨髄移植への期待こういった展開を可能にするには、まだまだ時間がかかるでしょう。しかし、移植成績が満足いかなくてもやっていかなければならないことに、非血縁者間骨髄移植の推進があることはもちろんです。血縁者の中でHLA一致の同胞を探せる確率はだいたい三五パーセントですから、このことは当然です。つまり移植適応はあるが、同胞にワンローカスーミスマッチを含めてドナーとして適切な人がいない患者さんには、HLA一致の非血縁者から探そうというのが、免疫抑制剤が進歩したことで考えられるようになったわけです。

 

 このための全国の公的骨髄バンクは皆様の熱意と努力により成立しました。しかし、この公的骨髄バンクが順調に発展していくにはいくつかの問題があります。一九九〇年、全国の血液専門医に「現在かかえている患者の中で、非血縁者間骨髄移植のための公的骨髄バンクができれば、主治医としてそれを介して非血縁者間移植を患者に勧めますか」という質問紙を送付し、ご解答をいただきました。

 

期待されている今後の展開

・効果的前処置法の確立

・アロ特異的免疫抑制剤の開発

・リンパ造血能回復促進の工夫

・自己造血幹細胞移植の推進