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 同種骨髄移植の問題点

 

 同種骨髄移植ですべて治るというのではない、ということをまず念頭においておかなければなりません。 HLAの一致した同胞が見つかり難いということは後述するとして、まず問題となるのは、骨髄移植では通常の化学療法よりはるかに過激な全身放射線照射とか大量の抗ガン剤投与という前処置を行わねばならないこと、またHLAの適合した同胞であってもGVHDがさまざまな程度に起こることが原因で、早期死亡が化学療法よりも高い頻度でみられるということです。次に、それが切り抜けられて、再発の可能性が消えても何らかの組織障害を残してしまう可能性があることです。これも多くは、強力な前処置とGVHDが要因になっています。

 

 実際の同種骨髄移植患者での死亡原因を、示します。もっとも多いのが、三七パーセントを占める再発です。再発は白血病の場合です。強力な前処置が行われても完全に白血病細胞をなくすことが難しいことが分かります。これに感染症間質性肺炎と続いております。この間質性肺炎GVHDが関係しております。

 

   * 間質性肺炎―肺炎とは、ふつうは酸素交換を行う肺の実質組織である肺胞腔に生じる炎症を指すが、呼吸上皮の支持組織である肺胞間に病巣がある場合は、「間質性肺炎」として区別されている。

 

 同種骨髄移植のディレンマ

 

 同種骨髄移植のもっとも基本的な問題は、再発とGVHDです。しかし、この両者は表裏といえるもので、表を隠せば裏が出、裏を隠せば表が出る、といった大変やっかいなものなのです。すなわち、GVHDを抑えるために私たちは免疫抑制剤を使用しますが、逆に白血病は再発しやすくなります。一方、再発を避けるために前処置を強くすれば、骨髄以外の組織障害も、GVHDも強くなります。このディレンマをどうしたら克服できるのか、どのようにしてバランスをとるか、というのが移植を抱える側のもっとも重要な課題といえるわけです。