血縁と非血縁の違い

 

 非血縁者間の骨髄移植をやった場合は血縁者間移植と比較して移植後の合併症が多いのではないかというご指摘があります。特にGVHDですが、そのことにつきましては秋の臨床血液学会で関係者が発表する予定でおりますが、一言で申し上げますと欧米の非血縁者間移植と比べますと、それは驚くほど少ない。これは血縁者間の骨髄移植とほぽ同じくらいのとこま

で十分コントロールできる。そういう意味では日本人はみな兄弟みたいなものですね。

 

 そんなことから私どもはまだささやかな経験でありますけど、非血縁者間骨髄移植というのは血縁者間骨髄移植と同じように有効な治療法でありまして、その意味において国の事業としての骨髄バンクを作る意味は十分にあるというように考えております。

 

 東海骨髄バンクでは、最終的に五五例の非血縁者間骨髄移植が行われた。首都圏・関西圈ではなく、名古屋を中心にした東海地区で日本の公的骨髄バンクの先がけともなった民間のこの東海骨髄バンクは、医師も含めてすべてがボランティアによって運営されてきた。東海骨髄バンクのそれは、いま国の骨髄バンク事業が目指している規模に比べると実に小さなものであったのは事実である。しかしわずか三年ほどの間に上げた成果はきわめて大きなものがある。その実績は、骨髄移植の推進においてはさまざまな示唆に満ちている。そして東海骨髄バンクが経験してきた非血縁者間骨髄移植で得たデータとバンク運営のノウハウは、いま本格的な稼動に入った公的骨髄バンクへと生かされている。

 

 さて、それではこれからの骨髄移植の問題点と、日本の骨髄バンクのかかえる課題とはどのようなものであるのだろうか。次に登場いただく浅野茂隆氏は、東京大学医科学研究所の移植臨床医であると共に、公的骨髄バンク・財団法人骨髄移植推進財団の中央調整委員でもある。中央調整委員会の役割は、実際にレシピエントとドナーを結び付けて移植にまで持ち込む、さまざまな実務を行うところにある。