無菌室治療の看護:無菌室の構造

 

 骨髄移植を成功させる補助療法として、無菌室看護は大きなウェイトを占めています。が、この無菌室看護は施設間でだいぶ違いがあると思います。そこで、私は国立がんセンター・で行っている看護についてお話して、骨髄移植の看護を分かっていただけたらと思います。

 

 がんセンター小児病棟では一九七九年五月にクラスー○○の無菌室が一床設置され、九〇年一月には二床に増設されました。現在骨髄移植を行っている子どもで一〇〇例目を迎えました。病床数は二八床(無菌室二床を含む)で、看護婦二四名、看護助手二名の態勢をとっています。

 

   * クラスー○○の無菌室トアメリカ航空宇宙局NASA)の基準で、大気一立方センチ中のチリの数がわずか一〇〇個しかないレベル。アメリカでは骨髄移植の際の無菌度に、よりゆるやかな基準でのぞむところも最近出てきており、クラス一万程度の無菌室での移植も行われているそうである。

 

 

 無菌室の構造

 

 がんセンターの無菌室ですが、一方の壁には一面に高性能フィルターがはめ込まれていまして、このフィルターを通してきれいな風が水平に流れ、きわめて高い清浄度が保たれるようになっています。前室と無菌室とは、ビニールカーテンで仕切られています。ビニールカーテンにはお面がついていまして、無菌室側に手を入れられるように手袋がついています。ここから手を入れて採血、検査、処置などを行います。手術用の手袋なので比較的細かい処置も十分行えます。

 

 無菌室には、看護婦が身体をふいたり、掃除や無菌室の中の整備をするために一日一回だけ入り、そのほかは医師の診察も含めてすべてビニールカーテン越しに行うようにしています。

 

 ビニールカーテンは全面を覆っているのではなく、出入口の一部は空間になっています。しかし、無菌室は前室より陽圧になっていて前室の空気が中に入り込むことはありません。この空間があることで、患者は閉塞感が少なく感じるようです。

 

 

 無菌室入室の準備

 

 骨髄移植を行うことが決定すると、医師と看護婦による医療チームで話し合いをして準備を始めます。医師からは治療方針と治療上の問題を示してもらいます。看護サイドからはケア上の問題を出して話し合います。この話し合いでは、患者の年齢、性格、理解力ということが大きくクローズアップされます。それらを考慮してケアの対策を立てます。例えば、表現は適当でないかも知れませんが、おだてると処置ができる子であるとか、なんでもきちんと説明したほうが分かってやってくれる子であるとか、そういった小さなことまでも見ていくことが必要です。

 

 また、家族の問題も十分検討しておくことが大切です。そして家族との協力体制についても、役割分担をはっきりさせることです。基本的には処置を看護婦が行います。