医療英語の翻訳会社BEST3

医学論文・治験文書・症例報告書・医療機器マニュアルなどの英語翻訳サービス

製薬会社は再就職先として適切

 

厚生省は、大蔵省とならんで政治家に幅を利かせている官庁だ。ときには閣議決定さえ無視してしまうその力はあなどれない。トップの事務次官が、天下りを堂々と正しいと言い切ったこともある、おそれを知らぬというか、人をなめ切ったお役所の天下りテク。

 

 行政改革における各省庁の抵抗でわかるように、「変えたくない、変わりたくない」がお役人のホンネ。ただ、外圧というものに彼らは弱い。厚生省を変えるかもしれない外圧、ICHがあるではないか。ICHでは、副作用情報の国際的な用語の統一、情報の交換の方法などが検討されており、2000年頃には日米欧の間で、副作用情報の交換がコンピュータ上でできるようになるという。

 

 そのデータベースを、医療関係者や一般の人にもアクセスできるようにすることが情報開示の近

 

高齢化社会を迎え、ますます権益をのばす!?厚生省名を持つ。これは、発生から和解まで20年もの年月を経たスモン事件の反省を踏まえたものだ。1979年に、医薬品による副作用を受けた人を救済する厚生省の外郭団体、「医薬品副作用被害救済基金」として設立された。

 

 主な業務は、「消費者くすり相談室」で電話相談を行なったり、副作用被害を受けた人に医療費や障害年金、遺族年金などの救済給付を支払うこと。96年度に191人に対し総額6億9261万2000円の給付を行なった。情報開示がキーワードになっていることは、厚生省もやっと認識し始めている。が、悲しいかな、「その薬の情報公開対策が新たな天下り先を作っている」と批判する医薬品業界の関係者も多い。

 

 まずは、先ほど、厚生省の担当者の話で、副作用症例のデータベースの情報提供機関の候補として挙げられた医薬品機構だ。正式には、「医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構」。

 

 なにしろ救済基金からの給付が始まった80年4月から97年3月までの17年間に、給付金を受けた人の数はたったの1730人。薬害エイズの被害者だけでも約2000人いるといわれる。ほかにもインフルエンザの予防注射による副作用被害、抗生物質ケフラールによる重症アレルギー反応、制吐剤ナウゼリンによる突然死、漢方薬の小紫胡湯による肝障害など、ここには挙げきれないほどの副作用が発生しているのに、救済基金としての役目を果たしきれていない。

 

 しかも、医薬品機構の本来の業務である副作用被害者の救済もまだ手薄だというのに、逆に薬の開発を押し進めることを支援する方向に業務が拡大してしまっているのだ。87年に、新薬や医療用具の開発に出資したり融資したりできる研究振興業務がスタートしたのを皮切りに、93年には患者数の少ない疾病向けの薬「オーファンドラッグ」の研究開発費の助成、94年には後発医薬品ゾロ品)の承認審査の一部を委託されるなど、副作用被害者の救済とはまるで関係のない方向へ組織は変貌している。

 

 さらに、97年からは医薬品の臨床試験、承認審査、市販後の各段階での調査や臨床試験の相談までその業務に加わり、98年からは臨床試験中のデータもこの医薬品機構を通して開示されるという。

 

 情報公開はけっこうだが、副作用の被害者の救済という本来の目的がなおざりになっては困る東京HIVエイズウイルス)訴訟原告弁護団、スモンの会全国連絡協議会など薬害被害者4団体は、96年5月に、当時新たに業務の上乗せが検討されていた再審査の調査や臨床試験の相談などの業務の加算に反対する要望書を提出した。「設立の原点である薬害被害者の救済業務を抜本的に強化すべき」という主旨であったが、なんのことはない、結局その要望書を無視する内容で業務の拡大を容認する法律が可決された。

 

 なにしろ、医薬品機構は厚生省からのかっこうの天下り先。行政改革がなされようとする一方で厚生省は医薬品機構への委託事業を積極的に増やしている。理事長以下6人の役員は全員厚生省からの天下りと出向者で、百数十人いる職員もその多くが厚生省からの出向者で占められている。

 

『知らなかった医薬品業界』造事務所著より