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東大vs慶大の学閥争いに巻き込まれるMR

 

 MRの中には大学病院専属のMRもいる。首都圏のある大学病院を担当していた40代男性の元MRに実情を聞くと、教授の椅子をめぐってのポスト争いにMRが巻き込まれることもあるとか。2人でひとつの大学病院を担当し、毎日朝、昼、夕、そのメーカーの主力商品を使ってくれる各科の医局に顔を出していた彼は、こんな話をしてくれた。

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 医者がちょっと休憩をしている時間をねらっていきますから、私たちMRが行くと、だいたい何人かの医者たちが医局に集まってソファに座ってお茶を飲んだりしているんです。MRはその回りを取り囲んで話を合わせていきます。毎日通っているわけだから、ほかのメーカーの人とも仲良くなっていっしょになって話をするんですよ。入ったばかりのMRは話の輪に入って行けないから壁の花状態ですけど。

 

 医局の中では、講師が3人いたりすると誰が次に助教授になるかで争っているし、助教授が2人いれば次の教授はどちらがなるかということで、講師同士、助教授同士は仲が悪いことがほとんどですね。だから、自然にMRもどちらかの側と仲良くなることが多い。両方とうまくやるのは無理なんです。MRと医者との人間関係で薬を買ってもらっていることがほとんどですから、「君はいつもあの先生にくっついているから君のところのは使わない」なんて、敵対している先生がよく使うメーカーの薬は使わないという医者もいるくらいです。

 

 医者って、子どものころから金持ちだったりエリートであったりすることが多いせいか、限られた世界に生きている感じで、そんなふうに子どもじみた行動を取ることが多いのでしょうね。最近はさすがに少なくなったみたいですが、以前は、東大系と慶応系の派閥争いが激しかったようでどこの大学が中心になって開発した薬か聞いてきて、「東大系ならうちは使わないよ」と慶応出身の先生に言われたり、逆のパターンもよくありました。

 

 結局、薬の善し悪しよりもそういうしがらみのなかで薬を買ってもらうことが多かったですね学会についていって、1日ゴルフで接待したりすると、「この前世話になったからこの薬を使いましょう」とスムーズに薬が売れたりしましたから。

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 この40代の元MRの話や前述の29歳のMRの話からもわかるように、かつては、飲んだり食べたりが好きでゴルフが得意なMRほど、薬の売り上げも高かった。しかし、これからは薬のことをかなり勉強しないとMRとして生き残って行けない時代に突入すると言われている。接待天国が昔話となる日も近い。その第一歩が、97年12月にスタートした業界団体による認定試験でのMRの資格化。国家資格ではないとはいえ、認定試験に受からないMRは、製薬メーカーに吹き荒れるリストラの強風に巻き込まれることはほぽ間違いないMRは生き残りをかけて、より専門的な知識を身につけようと必死なのだ。

 

『知らなかった医薬品業界』より