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世界の有力企業が本気で対日進出

 

 医家向け医薬品市場におけるわが国製薬メーカーの上位集中度は九二年現在、三四・七四%で、ここ十数年ほとんど変わっていない。これは、換言すれば、日本の大手製薬メーカーは伸び悩んでいるということになる。

 

 これに対して、外資系企業上位三〇社の市場シェアは毎年確実にアップしており、日本の製薬メーカーにとっては脅威の存在になりつつある。

 

 製薬協に加盟している外資系企業二二社ベースでみると、九二年度の売上高合計は一兆一三七〇億円で、八九年度比三〇%増加している。

 

 また、研究開発費は二二社合計で七二三億円で、八九年度比六一%もアップしている。二二社中、すでに一九社が日本に研究所を設立しており、このうち九社は新薬探索研究も実施している。さらに、二二社全社が日本国内に生産拠点を有しており、一六社が自社販売も行なっている。

 

 医薬品売り上げで世界第二位の規模を誇る日本市場は、外資の有力企業にとってもやはり魅力大といえ、大半の有力企業が研究開発から生産、販売に至るこ貝体制を確立している。

 

 こうした国際化対応は、日本の製薬メーカーよりもはるかに進んでいる。と同時に、世界の有力メーカーの日本市場での本気度も伝わってくる。

 

 もともと研究開発力と体力で勝る国際的な企業が、本気で日本市場に攻め込んできているのだから、日本のメーカーがシェアを食われているのも当然といえなくもない。ただし、食われっぱなしだと、淘汰される企業が続出するであろうことはいうまでもない。

 

 外資系メーカーによる対日攻勢が本格化したのは、八三年にメルク萬有製薬鳥居薬品を買収してからだろう。以来、八五年にチバガイギーが(提携相手は武田・藤沢)、九〇年にはバイエル(同、武田)とサンド(同、三共)が、それぞれ販売提携を解消し、自販に踏み切っている。

 

 また、規模は小さいものの、八五年には米メレルダウがフナイ薬品工業を、八九年にはベーリンガー(イムが東宝薬品をそれぞれ買収している。

 

日本国内での研究開発に本腰入れる外資

 

 外資による生産設備の拡張や研究所の設立・拡張の動きが加速したのは八〇年代後半から。最近では日米欧の同時開発を目指す動きも広がっている。

 

 従来、欧米の製薬メーカーは本国で研究開発を進め、製品化ができるメドが立ってから日本での開発に着手していた。この研究開発パターンの場合、日本法人には開発リス リクはないものの、発売時期は欧米より四年も遅れてしまう。

 

 これでは、「新薬開発力はスピードも決め手の一つ」といわれる競争激化の時代においては、他社に先を越される危険性が高く、承認が取りにくくなる恐れもある。

 

 膨大な研究開発費を回収するためには、競合品が出る前に発売するのがベストの戦略であるといえ、開発期間の短縮を図るべく、外資系メーカーが日本国内での研究開発に本腰を入れてきているわけだ。

 

 アップジョンは八八年に筑波研究所を設立し、いち早く研究開発の三極体制を確立している。日本グラクソ、サンド薬品もつくば市に研究所を設立し、欧米と同時進行できる研究体制を整えている。日本グラクソの場合、すでに精神分裂症治療薬の臨床試験を欧米と同時進行で実施しているほか、三品目程度を欧米と同時に臨床試験入りさせる。

 

 日本ロシュ、バイエル薬品ファイザー製薬なども、欧米との新薬の同時開発に着手している。いずれも研究所を新設、もしくは新設中で、研究スタッフの拡充も進めている。

 

 日本チバガイギー、日本ロシュなどは新規薬効を持つ天然物質、合成物質の探索研究も強化している。こうした動きは、すべて世界市場を念頭に入れての戦略だろう。

 

 日本法人が基礎研究から開発まで手がけるということは、一定の開発リスクを背負うことになるわけだが、これも日本法人が実力をつけてきた証といえよう。

 

 販売面では、自販体制への移行に伴い、各社ともここ数年、積極的に人員(MR)拡大をはかってきたが、MR数が1000人近くに達している企業もあること、流通改革に伴うMRの役割の変化などにより、一転して人員拡張を見直す機運が広まっている。

 

 ほんの数年前までは人手不足といわれた外資の営業部門も、日本の製薬メーカー同様量より質の時代に入りつつあるようだ。