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大手9社も気になる大正製薬の動き

 

 わが国最大の大衆薬メーカー。九二年度の売上高は、上場している全製薬メーカー中八位にランクされている。

 

 大衆薬市場を取り巻く環境が悪化する中で、同社は各部門で健闘しており、底力を示している。たとえば、ドリンク剤を含む滋養強壮剤市場は九三年度はマイナス成長となる可能性が強いが、同社の減収率(約五%減)は市場平均値をはるかに下回っている。ドリンク剤は武田(「アリナミン」シリーズ)、三共リゲイン)といった医家向けメーカーの落ち込みが激しく(中間期で前年比四〇%減)、厳しい環境の中で同社はむしろ善戦しているといえる。

 

 また、カゼ薬(「パブロン」シリーズ)、胃腸薬(大正漢方胃腸薬など)の増収率は市場の伸びを上回っている。解熱鎮痛剤「ナロンエース」や水虫薬「ダマリン」も好調で、ドリンク剤以外の大衆薬はニケタ成長を達成するとみられる。

 

医家向け医薬品部門の成長支える「クラリス」「パルクス」

 

 一方、九三年度中間期で医家向け医薬品部門は総売り上げの二二・三%に達し、会社目標の二五%に近づきつつある。

 

 医家向け医薬品部門の成長を支えているのが、末梢循環改善剤「パルクス」とマクロライド系抗生物質クラリス」の二製品だ。

 

 「パルクス」は八八年に発売されて以来、毎年ニケタ成長を続けており、九三年度の売り上げは二〇〇億円の大台に乗せるとみられる。

 

 「クラリス」の発売は九一年で、初年度から五三億円の売り上げを記録、以後も順調に伸びており、大型新薬(年商一〇〇億円以上)の仲間入りも間近だ。

 

 「クラリス」は、同社初の世界的新薬でもある。米国アボット社に導出し、欧米で販売されている(九三年九月現在、六〇力国で承認申請され、四五力国で発売済み)。アボット社による「クラリス」の売り上げは、九二年に前年比三〇〇%増の二億八〇〇〇万ドル(うちアメリカは一億三五〇〇万ドル)を記録し、一躍同社の卜ップ商品に躍り出た。

 

 「クラリス」はエイズ感染症にも薬効が拡大される見通しで、ニューヨークの医薬品アナリストは、九七年度には年商一〇億八〇〇〇万ドル(一ドル=一一〇円で換算すると一一八八億円)に達すると予想している。日本オリジンで年商一〇〇〇億円超の新薬は、ほんの数品目しかない。

 

 仮にこの予想が的中すれば、同社は九七年度に七〇億円程度のロイヤリティー収入を得るとみられる。

 

 

大型化期待の育毛促進剤「ミノキシジル」もスタンバイ

 

 同社には、育毛促進剤「ミノキシジル」という大型化期待の新薬もスタンバイしている。「ミノキシジル」は、わが国初のダイレクトOTC薬(処方薬としての使用実績を経ず、直接、大衆薬として販売される薬)になる公算が大きく、九二年六月に製造承認申請済み。アメリカでは八八年一〇月から処方薬として販売されており、九三年四月にスイッチ0TC薬(処方薬として発売後、安全性が確認され、大衆薬として認可された医薬品)の承認申請がされている。スイッチOTC薬としての認可は九五年になる見込みで、日本国内で むの発売は九五年後半になる可能性が強い。

 

 育毛促進剤市場は潜在ニーズが高いといわれており、同社の販売力も勘案すると発売後三、四年で年商二〇〇億円規模に大型化する公算が大きい。

 

 「パルクス」、「クラリス」は徐々に成長力が鈍化しているものの、まだまだ成長途上にあり、これに「ミノキシジル」が加われば、大衆薬は安定しているだけに、九〇年代後半に再び成長性が高まりそうだ。

 

 現在開発中の新薬には、血小板凝集阻害剤(帝人と共同開発)、カルシウム拮抗剤、抗炎症剤などがフェーズⅢにあり、九〇年代後半にかけての発売が予想されている。

 

 今期予想営業利益は四二五億円(会社ペース)。これは高収益といわれている第一製薬を上回り、。業界”第四位。予想営業利益率は大手九社中トップの山之内製薬とほぼ同水準だ。

 

 九三年度の研究開発費は一九〇億円で、対売上高研究開発費率は九・二%、営業利益の水準からみても、今後の厳しい開発競争に耐えうる力は十分備わっているといえよう。