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新薬の開花期にあたるキッセイ薬品工業

 

 

 キッセイ薬品工業は循環器系およびアレルギー用薬が主力。得意とするアレルギー、喘息、皮膚科領域の製品も戦略的に導入し、品揃えを図っている。現在は新薬の開花期にあたり、九三年三月期最高益更新に続き、九四年三月期も四〇%の大幅増益が予想されている。

 

 業績急拡大のけん引役を果たしているのが、九一年から九二年にかけて発売された抗血液凝固剤「フラグミン」、高脂血症治療薬「ペザトール」、気管支喘息薬「ドメナン」の新薬三品目と、九二年二月に脳血栓への適応が拡大された「キサンボン」。

 

 「ベザトール」は九二年度に年商一〇〇億円を突破し、同社のトップ製品になっている。九三年度は前期比二四%増の一三〇億円か見込まれており、成長ペースは衰えていない。

 

 「フラグミン」は高薬価も手伝って順調に市場に浸透し、発売初年度である九二年度の売り上げは五四億円に達した。九三年度も順調に伸び、九三年度は「ペザトール」に続く二番目の製品に成長、売り上げは一〇〇億円に迫る勢いだ。

 

 「キサンボン」も五〇%近く伸びており、一、二年後には年商一〇〇億円に届くとみられる。「ドメナン」に関しては、気管支喘息薬市場の競争が激化しているため、共同開発先の

小野薬品工業の「ペガ」同様、当初予想より拡大ピッチは鈍いが、それでも徐々に売り上げが伸びている。

 

 九一年度には大幅減益(前期比四五%減)を余儀なくされた。これは、九一年九月に主力製品の一つであった頻尿・尿失禁治療薬「ミクトロール」が販売中止となったのが響いたものだが、その後、経常利益は二・九倍増、四〇%増と爆発的な伸びとなっている。大型新薬の業績への寄与度がいかに大きいか一目暸然だろう。

 

九〇年代後半には一転、新薬の端境期になる可能性も

 

 他の主要薬では、切迫流産防止薬「ウテメリン」が安定成長を続けているほか、抗アレルギー剤「リザペリン」もケロイド症への薬効拡大、ゾロ品の影響一巡などから持ち直してきている。主要既存薬でジリ貧状態にある製品はほとんどない。

 

 現在の主力製品はまだまだ大型化すると予想されており、少なくとも向こう三年間は成長性を維持しそうだ。

 

 もっとも、これに続く新薬の開発は遅れており、九〇年代後半には一転して新薬の端 境期になる可能性もある。

 

 九三年末現在、フェーズⅢの製品はなし。フェしスⅡに去痰剤、慢性関節リューマチ剤、抗不整脈剤などがある。

 

 品揃えの強化を図るため、九三年一一月に米国プロサイト社の皮膚潰瘍治療剤フレザチド銅酢酸のアジアにおける独占的開発・販売権を取得している。同剤は、皮膚潰瘍の中で最も治療が難しいといわれる糖尿病性皮膚潰瘍への有効性が期待されており、発売されれば皮膚科領域への製品が拡充されることになる。

 

 また、米国バーテックス社とエイズ治療薬の共同開発を行なっている。

 

 九三年度の予想研究開発費は六〇億円。前期比二三・五%ア乙フしているが、これは売上高の伸びと同じ。対売上高研究開発費率は一一・七%と変わっていない。

 

 売上高営業利益率は二五・九%と前期比九%アップする。営業利益は研究開発費の倍以上あり、研究開発費負担が収益の重荷になることはなさそうだ。