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有望バイオ新薬二品の登場で盛り返す中外製薬

 

 売上高で九位。営業・経常利益で八位。大手九社の一角を占めている。

 

 売上高が三〇〇億円を超えていた抗ガン剤「ピシバニール」の薬効が八九年に取り消されたことで、業績は八七年をピークに急落したが、バイオ新薬二品が九〇年から九一年にかけて発売されたことで、急回復してきた。

 

 「ピシバニール」の発売は七五年で、売上高は全医薬品中、八一年に九位、八八年には

 

 一五位という大型製品だった。しかし、八九年以降売り上げは急減し、近年は年商六〇億円程度にまで落ち込んでいる。

 

 「ピシバニール」の減収分を補うべく登場したのが、九〇年に発売された赤血球増殖因子「エポジン」と、九一年発売の白血球増殖因子「ノイトロジン」。ともに革新性の高いバイオ新薬で、競合品は今のところキリン/三共の「エスポー」、「グラン」しかなく、ライフサイクルの長期化、大型化が期待されている。

 

 「エポジン」は透析前の腎性貧血、ガン性貧血、リューマチ性貧血などへの適応拡大の臨床試験を進めており、売上高は九三年の推定二九〇億円から九五~九六年には四〇〇億円超に拡大すると予想されている。

 

 「ノイトロジン」は世界戦略商品に位置づけており、ヨーロ。パではすでに発売済み。アジアなどでも市場開拓を目指している(特許紛争によってアメリカでの販売は断念)。病院の薬剤費予算が不足気味のため、「ノイトロジン」のような高額薬剤の使用は抑制されやすく、国内市場の伸びは当初予想(会社側は九三年の売上高一八〇億円を予想していた)を下回っているが、それでも九三年には一五〇億円程度に拡大。九五~九六年には 二五〇億円前後まで大型化するものとみられる。

 

 「エポジン」、「ノイトロジン」が順調に拡大すれば、九四年一一月期には七期ぶりに経常最高益を更新する可能性が強い。

 

 発売間近、あるいは開発中の新薬としては、脳血管拡張剤「アンテバス」、制ガン剤「ネオプラット」を申請済み、造影剤「イオックス」などがフェーズⅢにあり、九四~九五年の発売が予想されている。このうち、「イオックス」はピーク時年商一〇〇億円程度が見込まれている。

 

 対売上高研究開発費率は一四・八%と業界ナンバーワン。ただし、フェーズⅡからフェしスⅢまで開発しながら、開発を中止したものが九〇年から九三年にかけて七~八品目にものぼり、研究開発の効率化が急務といえよう。

 

 研究開発体制は、東京・豊島区の中央研究所、御殿場市の富士御殿場研究所、長野県箕輪市の信州伊那研究所の三研究所を設置している。

 

 営業面に関しては、MRの機能分担を進めている。循環器系疾患、ガンなど特定領域だけの医薬品営業を担当するMRをMRS、調剤薬局を担当するMRをMRPと呼び、さらに特定機能病院担当MRも置いている。MRの機能を分化することで、量は増やさずに質を高めていく戦略といえよう。

 

 売上高当期利益率、営業利益率はともに第六位だが、九四年度には営業利益率で武田生き残りを賭けた大手9社の強みと弱みを抜く可能性もある。