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藤沢薬品工業は今後、急回復に転じる見通し

 

 売上高で第五位、営業利益では七位。

 

 八九年に買収した米ライフォメッド社(現フジサワUSA)が、同社の買収以前に行なわれた虚偽申請データの発覚によって九二年度から大幅な赤字を計上していたが、九六年度税引き黒字化という計画達成のメドが立ち、収益は最悪期を脱しつつある。 

 

 

 注目の新薬「プログラフ」に加え「セファメジン」も復活

 

 藤沢といえば「プログラフ」といわれるほど、免疫抑制剤「プログラフ」が注目の的になっている。国内よりも海外で大型化しそうで、臓器移植分野だけでピーク時年商五○○億円程度が見込まれている。

 

 臓器移植分野だけでというのは、「プログラフ」の適応拡大に向けた臨床試験がスタートしているからだ。とくに、有望なのがアトピー性皮膚炎に対する薬効で、患者数が数十万人もいるだけに、適応拡大が承認されればさらに大型化するのは確実だ。

 

 当面、収益拡大に寄与できる期待の大型新薬といえば「プログラフ」 一色だが、同社は既存薬の主力製品も順調に伸びている。九一年に発表したセフェム系抗菌剤「セフゾン」はすでに年商二〇〇億円を突破し、また同じく九一年に発売された抗潰瘍剤(プロトンポンプ阻害剤)「オメプラール」も、当初の予想ほどではないにしろ順調に売り上げを伸ばしている。

 

 さらに、“神がかり”ともいえる現象が起きている。第一世代セフェム系抗生物質セファメジン」が復活してきたのだ。

 

 「セファメジン」は、日本オリジンの世界的新薬の第言万ともいわれており、七一年に発表されて以来、内外合わせてピーク時年商七五〇億円程度まで拡大した超大型商品だった。同社の収益拡大にも大きく貢献したが、薬価引き下げが本格化した八一年以降ジリ貧状態となり、八九年度には八五億円(国内)程度まで売り上げが落ち込んでいた。

 

 ところが、安全性、経済性の高さから再び見直され、九二年度に二天億円、九三年度は一五〇億円超と急回復に転じている。

 

 研究開発拠点は、大阪・淀川区の加島地区研究所とつくば市の筑波地区研究所の国内二研究所体制となっている。

 

 研究開発領域は、セファロスポリン系抗生物質を軸とする感染症領域に加え、循環器系疾患、炎症・アレルギー、ガン、消化器系疾患の五大疾患領域を重点領域としている。

 

 売り上げの三〇%強を占める抗生物質が主力で、経口抗生物質では塩野義製薬を拔いてトップ企業の座に位置している。

 

 ⑩生産・営業・物流部門を一括管理する総合情報システムを構築

 

 「プログラフ」以外にも、フェーズⅢやフェーズⅡに数多くの自社開発品を抱えている。すでに申請済みの喘息治療薬「アスロック」は九五年、現在フェーズmの排尿障害治療薬「アルフゾシン」は九六~九七年の発売が予想されており、ともに大型化が期待されている。これ以外にも、糖尿病併発症用薬、前立腺肥大症薬など、自社オリジナルの有望新薬が揃っており、九〇年代後半からの展開が楽しみだ。

 

 一方、雪印乳業と共同開発を進めていたアルツ(イマー症治療薬、宇部興産との共同開発品虚血性心疾患用薬からは撤退した。自社開発品目が多いため、当面は共同開発よ

りも自社品の開発を優先させる意向のようだ。

 

 営業面では、MRの能力向上にも力を入れている。流通改革によって医師への情報提供力の強化やより詳しい学術知識が必要となっていることに対応し、九四年度からMRに能力試験を実施する。試験合格者には認定証を与え、二年おきに試験を行なう。MR の努力を促しながら、質の向上をはかる方針だ。

 

 在庫の削減にも取り組んでおり、生産・営業・物流の各部門を一括管理する総合情恨システムを構築している。

 

 財務面では、売上高当期利益率で九位、営業利益率で七位となっている。当期利益率が極端に低いのは、フジサワUSAの赤字を引当金として特別損失に計上しているためで、海外子会社が黒字化してくれば利益率も好転しよう。

 

 経常利益が最高益を記録したのは八一年三月期。以来、一一年間も収益は低迷していたといえるが、九二年三月期でどうやら業績は底を打ったようだ。米国子会社の黒字化か見込める九六年度には、EPSは九三年度の約一〇円から四〇円程度まで拡大する可能性が強く、その後は連結利益ベースの成長も期待できそうだ。