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効率化を徹底追求する第一製薬

 

 売り上げは七位だが、営業利益・経常利益では四位につけている。収益性の高いことが一つの特徴といえよう。

 

 効率化を徹底追求しており、労働分配率ではトップに立っている。これは、生産・技術部門のリストラを相当以前に行ない、これ以上落とせない水準にまで削減しているからだ。

 

 たとえば、同社は秋田工場で原末を、静岡工場で製剤・錠剤・固形剤を、大阪工場で注射剤を生産しているが、各工場に無人化・システム化設備を導入して省人化・効率化をはかっている。

 

 同社は五年長期計画を繰り返し実施している。長期計画では、増益を確保するためには増収率五%以上が大前提だったが、経済の低成長、医療費抑制などから、今後三年間医薬品の伸びは四%を超えないと判断。増収率が五%を割っても増益を確保できる収益構造改革を推し進めている。

 

 とはいえ、製薬メーカーの生命線である研究開発投資は削減できない。現在一二%台前半の対売上高研究開発費率は、二年後にはニ一%にまでアップするとみられる。

 

 それでは、なにで抑制するかといえば、販売促進費しかなく、売上高に占める販管費 リの比率は徐々に低下していくとみられる。また、原価償却費や固定費も圧縮していく方針。

 

 固定費に関しては、営業車両削減の一環として自家用車を買い上げたり、手狭になった出張所は移動ではなくレイアウトの変更などで対処し、経費の節約をはかっている。大手の中では、最も真剣に経費の削減に取り組んでいるといえよう。

 

 

 

感染症と造影剤は絶対他社に負けない」

 

 研究開発体制は、探索第一~第三研究所、開発研究所、分子生物研究室、試験研究センター、生産技術研究所からなり、すべて東京・江戸川区の東京研究開発センターに集約されている。

 

 海外では、アメリカで制ガン剤がフェーズⅠにあるほか、動脈硬化の研究を行なっているカリフォルニア大学にフルスポンサーとして協力している。また、バイオベンチャーとのサテライト研究も活発に行なっている。

 

 主な研究開発領域は感染症、循環器、抗ガン剤、脳中枢、免疫アレルギー、消化器、造影剤の七領域で、このうち、「感染症と造影剤は絶対他社に負けない」(第一製薬広報室織田茂美室長)という。

 

 とくに、血液関係に強く、血栓、動脈硬化、凝固剤などの分野で今後も世界的商品が開発されそうだ。

 

 循環器と脳中枢は、薬剤としては需要が大きく、今後の注力分野だ。また、肺ガンに高い効果のある抗ガン剤が今年中に発売される見通しで、抗ガン剤でも強みを発揮してくるとみられる。

 

 残る免疫アレルギー、消化器関連はやや弱く、導入品や海外提携で補っている。

 

 製薬メーカーは、領域を絞り市場トップ商品を出せば、世界のビッグカンパニーになりうる。新薬開発に特色を持たせながら生き残りをはかるのが、同社の基本戦略だ。

 

 今後も、社会貢献を果たしながら業績にも寄与する新薬の開発を推進していく姿勢に変わりはなく、エイズアルツハイマー治療薬を挑戦課題としてあげている。また、オーファン・ドラッグまでいかなくとも、解明していかなければならない分野に関しては、コストがかかってもやり続けるという。

 

国際的新薬第二号「クラビット」で巻き返しに期待

 

 国際化に関しては、アメリカとイギリス(ロンドン)に開発拠点を設け、現在は第二ステージにある。ニー世紀初頭には、海外での自社開発・自社販売体制を確立し、第三ステージに入る計画だ。

 

 国際化をはかるためには、国際的な医薬品を持つことが先決といえるが、同社が八五年に発売した合成抗菌剤「タリビット」は、数少ない日本オリジンの世界的新薬として、世界各国で販売されている。

 

 「タリビット」は国内市場だけでピーク時年商四六九億円を記録し、業績拡大に大きく貢献したが、八七年一〇月に発売された低イオン性造影剤「オムニパーク」以後は九二年まで大型新薬が上市されず、業績は九〇年三月期をピークにやや停滞している。

 

 しかし、九三年コ一月に、同社の国際的新薬第二号といわれる合成抗菌剤「クラビット」が発売され、巻き返しが期待される。「クラビット」はピーク時年商五〇〇億円ともいわれており、ピークをすぎた既存薬の減収分を補って余りある勘定だ。

 

 さらに、現在開発中の新薬は、大型化が期待されるものがズラリ揃っている。MRI用造影剤が近々申請されるのをはじめ、フェーズmに脳機能改善剤、AcE阻害剤、力ルシウム拮抗剤、尿路・血管・CT用造影剤、抗酸化剤、フェーズⅡにTXA2合成酵素阻害剤、抗血小板剤、合成抗菌剤などがあり、いずれも大型化が見込まれている。

 

 とくに、脳機能改善剤はアルツ(イマー型痴呆症薬で、ピーク時年商三〇〇億円超が予想されている期待の大型新薬だ。「クラビット」同様、自社開発品だけに、利益率も高い。発売は九七年以降か。

 

 既存薬の成長性は総じて鈍化しているので、利益成長の復活は大型新薬の上市待ちといったところだろう。

 

 営業利益率は山之内、三共に次いで第三位(一六・六%)、ROEは三共に次いで第二位と、財務内容は高水準でバランスがとれている。