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有望アジア市場で展開される生き残り戦争

 

 医薬品の潜在需要の大きさという点では、アジア市場も見逃せない。

 

 アジア諸国は、現状では先進各国に比べて一人当たり医薬品使用量がきわめて少ないが、もともと人口が多いこと、経済成長率が先進諸国よりも高いことから、今後、経済力の向上によって医薬品消費量の増大が期待できよう。

 

 欧米だけでなく、アジア各国に基盤を持つことも、日本の製薬メーカーが国際化を推進するうえで、重要な課題になりそうだ。

 

 アジアに生産拠点を設立する動きは、二〇年も前から始まっていたが、最近ではとくに中国で自社製品を本格生産する動きが加速している。

 

 田辺製薬は台湾、インドネシアに生産拠点を持ち、中国・天津にも医薬品生産の合弁会社を設立し、「ヘルペッサー」を生産している。

 

 第一製薬は北京と上海で現地企業に技術を供与し、「タリビット」を生産している。

 

 エーザイ瀋陽に合弁企業を設立し、九三年から強心剤「ノイキノン」の本格生産を開始した。

 

 山之内製薬は台湾で自社生産・販売体制を確立しているほか、韓国、台湾にも拠点づくりを準備中だ。

 

 このほか、メルシャン、明治製菓なども、中国で自社の医薬品の生産を行なっている。

 

 欧米とは異なり、中国では日本の製薬企業の現地生産、現地販売(一部輸出)というパターンが一般化しているのは興味深いところだ。

 

 環太平洋諸国との共同研究を唯一展開しているのが中外製薬。世界戦略商品である「グラノサイト」(日本での商品名は「ノイトロジン」)を海外販売するため、臨床段階での ヽ共同研究を各国で行なっている。

 

 研究者の交流も活発化しており、韓国、オーストラリアに続いて中国にも合弁企業を設立し、基礎的な研究分野の協力を進めているほか、中期的には日本と環太平洋諸国で新薬同時開発体制の確立を目指している。

 

 日本の他の製薬メーカーのアジア戦略が、医薬品製造の合弁企業を現地に設立し販売拡大につなげているのに対して、中外製薬は研究分野での現地化も進めており、一歩リードした展開を狙っているといえよう。

 

 いずれが勝者になるか判定はまだつかないが、需要動向からみて、「アジアを制した者は生き残れる」ことだけほまちがいなさそうだ。