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革新的新薬を開発できる企業が海外市場も制す

 

 製薬メーカーが海外で販売体制の確立を目指す場合、①自力で、②海外企業を買収、③合弁会社設立、という三つのパターンが考えられる。

 

 いずれのパターンも膨大な資金を必要とするとされるが、とくに自力で販売網を設立することは容易なことではない。MRの確保など問題点も多く、日本のメーカーが単独で進出するためには、国際的な新薬の品揃えと相当の覚悟が必要だろう。

 

 ②の海外企業の買収は、適当な企業がみつかれば資金力のある日本の大手製薬メーカーなら対応できるだろうが、現状では買収相手もなかなかみつけにくくなっている。

 

 というのも、欧米では七〇年代から八〇年代にかけて業界再編、企業買収が相次ぎ、適当な規模の企業がほとんど残っていないのだ。もし、売りに出される企業があれば、なにか問題がある(たとえば大赤字を抱えている)と疑ってかかったほうがいいとまでいわれている。

 

 ③の合弁企業の場合、販売利益は約半分に減ってしまう(出資比率次第)が、もっともやりやすいのはたしかだ。武田薬品工業はこの③を選び、他社を大きく引き離している。

 

 欧米の大手メーカーに販売してもらうのが最も簡単だが、バルク、原末を輸出するだけでは売り上げも膨らまないし、なにより海外に自社の名を売ることもできない。

 

 世界的新薬の一つである田辺製薬の「ヘルベッサー」は、たしかにアメリカなど海外で売り上げを伸ばしてきたが、「ヘルベッサー」を日本の田辺製薬が開発した薬だと知っていて使っている人は意外に少ないという。

 

 医薬品産業では、薬とともに開発メーカーとして名を売ることも、海外市場を開拓するうえで重要なポイントになっている。この点、武田薬品工業は名前を売ることにも成功しているが、田辺製薬が「ヘルベッサー」に続く新薬で成功する保障はない。

 

 もっとも、海外に進出して成功できるかどうかは、ひとえに国際的新薬の有無にかかっている。

 

 医薬品は、国によって承認基準が異なるが、あらゆる国で承認され、あらゆる国で販売できる新薬がないと、膨大な研究開発投資や海外でのコストの回収は難しい。

 

 革新的新薬を開発できる企業が海外市場も制すI結局、製薬メーカーにとって最も重要なのは研究開発力の強化・拡充なのだ。