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国際化が遅れている原因の一つは“駒不足”

 

国際化が遅れている一つの原因として、モノ不足があげられている。つまり、国際的に通用する日本オリジンの新薬が少なかったということだ。

 

 日本オリジンの世界的新薬の第一号は、藤沢薬品工業が七一年に開発した国産初のセ Jファロスポリン系抗生物質セファメジン」といわれている。

 

 その後、田辺製薬のカルシウム拮抗剤「ヘルベ″サー」、山之内製薬の循環機能改善剤「ペルジピン」、胃炎・潰瘍治療剤「カスター」、第一製薬の広範囲経口抗菌製剤「夕リビット」、三共高脂血症治療剤「メバロチン」、セフェム系抗生物質製剤「バナン」、武田薬品工業の前立腺ガン治療剤「リュープリン」などが国際的に通用する新薬に成長しているが、その数は指折り数えるだけでも事足りる。。駒不足”は歴然としている。

 

 第一製薬の合成抗菌剤「クラビット」、小野薬品工業の喘息治療薬「オノン」、三共の糖尿病治療薬「ノスカール」など、九五年に日本オリジンの世界的新薬が続々と登場しそうで、「将来的には、医薬品産業も輸出産業になる」(大手製薬メーカ士と予想されているが、そうならないと、日本の製薬メーカーが成長力を持続することはできないだろう。

 

輸出比率はほとんど横ばいの状態が続く

 

製薬協データブック(一九九三)によれば、海外の製薬企業大手二〇社中、総売上高に対する海外売上額の比率は、最も高い企業で九八・二%、最も低い企業で二三・三%になっている。欧州企業の海外依存度が相対的に高くなっている。

 

 一方、日本の製薬企業大手二〇社の輸出額は年々増加しているものの、総売上高に占める輸出比率は九二年で六・五%にすぎず、欧米の水準から大きく遅れている。

 

 しかも、輸出比率は過去三年間、ほとんど横ばいの状態が続いている。

 

 大手九社中、輸出比率がI〇%を上回っているのは田辺製薬(一九・五%)、武田薬品工業(一〇・五%)の二社。塩野義製薬(∵○%)、中外薬品(四・〇%)の二社は、製薬協八五社中の平均値(四・四%)すら下回っている。

 

海外展開においても二極分化が進みつつある

 

 電機、精密といった輸出産業に比べれば、医薬品産業の海外展開の後進性は否めないが、その後進産業の中でもすでに差がつき始めている。今後は、海外展開においても、二極分化が進むのかもしれない。

 

 日本のグローバル企業の国際戦略をみると、輸出による海外市場開拓が第一段階。海 り外への直接投資・現地生産が第二段階といえよう。医薬品業界全体としては、まだ第一段階のスタート台にようやく登ったというところだろうが、すでに第二段階に入っているところもある。

 

 山之内製薬アイルランドに生産拠点を設立(八六年四月)し、「カスター」の原末を欧米市場へ供給している。ヨーロッパに生産工場を設立したのは、日本の製薬メーカーでは同社が初めて。山之内アイルランドで得た利益は、ヨーロッパにおける研究部門の先行投資にあてられており、「海外展開に必要な費用は海外で賄う」という理想論を実践している。

 

 「カスター」の販売はアメリカのメルク社が担当している。メルク社といえば、医薬品売上高世界一の企業。そのメルク社の製品別売上高で「カスターは四位にランクされている」というからすごい。

 

 なお、山之内アイルランドは九〇年に、欧州環境優良産業表彰で最優秀環境管理賞を受賞している。製薬メーカーに限らず、日本企業で同賞を受賞したのは同社が初めて。稼働以来、環境管理に一貫して取り組んできた同社の姿勢が評価されたもので、今後の海外活動の指針になりそうだ。