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「病気では死ねなくなる日」が来るまで

 

 患者数が多いにもかかわらず、薬でコントロールされていない分野はまだまだある。

 

 たとえば、インフルエンザ。毎年、型はちがっても必ずといっていいほど流行しているが、インフルエンザ専用治療薬はまだない。もし開発されれば、「メバロチン」を上回る市場規模になる可能性は十分にある。

 

 一方、肩こり、脱毛・白髪化などで悩んでいる人も多いはず。これらの分野は、経口治療薬で治すという発想はまだないかもしれないが、それぞれのメカニズムが解明されて、あるいは治療薬が誕生するかもしれない。これまた、大化け商品になる可能性大だ。

 

 これまでみてきた、開発が期待される新薬はいずれも、技術革新なくしては実用化で 夕きないものばかり。薬がない病気を、薬で治すようにするということは大変なこと。リスクは大きいが、社会の期待はそれ以上に大きい。「病気では死ねなくなる」日が来るまで、製薬メーカーの技術革新は続く。

 

オーファンドラッグの開発も促進

 

 患者数が多い分野にだけ薬のニーズがあるわけではない。もちろん、商業ベースでみれば、患者数は多いにこしたことはないが、ニーズがあればどんな分野でも治療薬を開発することも、製薬メーカーに課せられた使命の一つといえるのではないだろうか。

 

 患者数が少ない病気のことを希少疾病、その治療薬のことを希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)と呼んでいる。

 

 オーファンドラッグは、国の支援がないと製品化するのは難しいといわれていたが、厚生省は九三年に、オーファンドラッグの開発促進を図るため、製薬メーカー向けの支援制度をスタートさせた。

 

 具体的には、対象患者数が五万人未満で、他に適切な治療薬、治療法がなく、とくにすぐれた使用価値があると認められた医薬品をオーファンドラ″グに指定し、指定されたものは優先審査、助成金補助などの優遇措置が講じられている。

 

 スミスクラインービーチャムの包虫症治療薬がオーファンドラッグの製造承認第一号になったのに続いて、藤沢薬品工業の難治性ぶどう膜炎治療剤、田辺製薬のせき髄小脳変性症治療剤なども続々と承認される見通し。

 

 オーファンドラッグは、従来は外資系メーカーが先行していたが、支援制度によって開発へのインセンティブが与えられ、国内メーカーも巻き返しに転ずるとみられる。

 

 と同時に、世界に通用する、国産の、革新的な新薬開発に対する期待も高まっている。

 

 なお、オーファンドラッグの開発支援に関連して、審査事務の改善も実施された。これまで規制色の濃かった薬務行政が、医療上必要な新薬の開発促進、迅速かつ安定供給

という方向へ変わりつつあるといえそうだ。