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待たれる夢のガン治療薬、日本人の死亡原因のトップ

 

 日本人の死亡原因のトップに居座り続けているガン。不治の病ともいわれているが、実際には早期発見、早期治療ができれば克服可能で、治癒の目安である五年生存率でみると、胃や肺の中心部にできるガンでは一〇〇%近くにまで達している。

 

 とはいえ、治癒率を大きく向上させているのは診断技術、手術などの治療技術の進歩に負うところが大きく、医薬品が寄与している部分はまだまだ小さい。

 

 治療薬の呼称をみてもわかるように、ガン関連の医薬品は抗ガン剤とか制ガン剤と呼ばれており、ガン治療薬なるものはまだ存在していない。まだ、薬だけでガンを治療することはできないのだ。

 

 もっとも、ガンの発生プロセスやメカニズムはかなり解明されており、あらゆる角度からガン新薬の開発が進められている。

 

 參製薬メーカー各社が開発に取り組むガン治療薬の五つの領域

 

 現在、各製薬メーカーが開発に取り組んでいるガン治療薬は、次の五つの領域に分けることができる。

 

 第一は、いわゆる化学療法剤と呼ばれるもので、ガン細胞に直接作用して、ガン細胞を直接殺してしまおうというもの。

 

 この領域では、ガン化した細胞のDNAを破壊するアルキル化剤、ガンが増殖するための遺伝子合成を阻害する抗ガン性抗生物質などの開発が進められているが、最近注目を集めているのが、「葉酸代謝拮抗剤」。

 

 これは、ガン細胞が必要とする栄養の代わりに薬を取り込ませてガン細胞を殺すという特徴があり、武田薬品工業、日本チバガイギーなどが開発中だ。悪性のガンほど活発に分裂するといわれており、葉酸代謝拮抗剤はこれまで効かなかったガンにも効くのではと期待されている。

 

 第二は、免疫システムの働きを高め、体の自然治癒力によってガンを治療しようというもので、体の中にあるサイトカインと総称される物質を利用した新薬の開発が急ピッチで進展している。

 

 第三は、ホルモン療法。ガンが成長する際には、ホルモンが大きな役割を果たしている場合があり、逆の働きをするホルモンを投与すればガンの成長を抑えることができるという。日本チバガイギーなどが、新しいホルモン療法薬の開発に取り組んでいる。

 

 第四は、抗ガン剤の副作用を緩和する薬。抗ガン剤には白血球や血小板を減少させるなどの副作用があり、長期あるいは連続投与は難しいといわれている。

 

 このうち、白血球に関しては、G‐CSF(白血球減少治療剤)がすでに発売され、大型化が期待されている。血小板増強剤はまだ開発されていないが、森永乳業、味の素などが臨床試験を行なっており、実用化が待たれている。

 

 第五の領域は、ガンの転移を防ぐ薬だ。ガンが転移する際には、血管を通ってガン細胞が運ばれて行き、別の臓器に取りつくケースもあるといわれ、武田薬品工業はこの領域での抗ガン剤の開発も進めている。また、中外製薬協和醗酵工業の二社は、「植物アルカロイド」と呼ばれる分野の抗ガン剤を開発中だ。

 

 また、現在のガン治療上のさまざまな課題の解消を目指して、抗ガン剤を的確にガン細胞だけに作用させることができるDDS(ドラ。グーデリバリー・システム=薬物搬送系)という技術も確立されつつある。

 

 さらに、検査薬の分野では、ガンの種類や性質を知ることができる薬も開発されているのに加えて、ガン細胞がどういう状態の時に抗ガン剤が効きやすいかを判定する薬も開発ターゲットになっている。

 

 「ガン新薬は他の薬に比べて開発成功率が低く、リスクが大きい」という業界関係者の声も聞かれるが、ガンの特効薬が開発できれば、それこそ夢の超大型新薬になるのほまちがいない。死亡原因卜ップの病気の治療薬を開発することは、製薬メーカーの使命でもあるはずだ。