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骨粗しょう症.排尿障害治療薬は有望市場

 

 女性は年をとると背骨が曲がりやすい、男性は年をとるとおしっこの切れが悪くなる、年をとると物忘れがひどくなるといった症状は、永らく病気とはみなされていなかった。

 

 しかし、昨今、老化のメカニズムなどが解明されるにつれて、こうした症状も病気と認知され、薬でコントロールしようとする動きが急速に広まってきた。

 

 たとえば、骨粗しょう症。女性は閉経によって、骨の形成や強化を促すエストロゲンという女性ホルモンの分泌が少なくなり、六五歳以上の女性の二人に一人は骨粗しょう症にかかっていると推定されている。

 

 「年をとると骨が曲がるのは当たり前」ならとくに治す必要もないが、これが病気とわかれば、治療薬に対するニーズは一気に膨らむ。

 

 九二年現在、骨粗しょう症治療薬の市場規模は約一〇〇〇億円だが、潜在需要が大きいこと、治療薬を開発中の製薬メーカーが多く、エーザイの「グラケー」をけじめ今後有望新薬が相次いで上市される見込みであることなどから、九〇年代後半にはかなりの大型市場に成長している可能性が強い。

 

 前立腺肥大症に伴う排尿障害治療薬も有望市場の一つだ。

 

 多くの男性は、年をとると尿の出が悪くなる。これは、男性ホルモンのテストステロンが前立腺を肥大させ、尿道を狭くするためで、前立腺肥大はじん臓などの臓器に悪影響を及ぼす可能性もある。

 

 しかし、これまでは頻尿、残尿感といった初期症状の段階で治療されることはまれで、末期症状が出てから治療されるのが一般的だった。というのも、これまで前立腺肥大に使える医薬品は、血圧低下などの副作用が強かったからだ。

 

 医師が治療に使おうとしないから、前立腺肥大症に伴う排尿障害治療薬市場は九二年現在、三〇〇億円足らずにすぎなかった。が、九三年八月に、山之内製薬が画期的な排尿困難改善剤「「ルナール」を発売したことから、今後前立腺肥大症治療薬市場は急拡大すると予想されている。

 

 「「ルナール」は、日本で初めて前立腺肥大だけを対象に開発されたアルファーーブロッカー(血圧に影響しない量で尿道を広げる)で、一日一回飲むだけで夜何度もトイレに行かなくてすむという。

 

 山之内製薬では「「ルナール」を「カスター」(胃炎・潰瘍治療剤)などに続く国際戦略商品として位置づけている。

 

 「「ルナール」以外の新薬も目白押しで、エーザイの「デタントール」が適応拡大を申請中のほか、フェーズⅡからフェーズⅢのものが六~七品目もある。今後は競争が激化しそうだ。

 

 命にかかわるわけではないが、高齢者の快適な生活に貢献できる薬。そんなニーズに応えられる薬は、大化けする可能性もあるのではないか。