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既存の大型薬市場は激戦区

 

 一口に循環器官用薬といっても、血圧降下剤、心臓用薬、脳循環改善剤など、さまざまな薬効がある。

 

 仮に、同一薬効分野で医薬品売上高の総計が1000億円を超えているものを大型薬市場と呼ぶことにすると、消化性潰瘍剤のm型拮抗剤、脳代謝改善剤、合成抗菌剤、抗喘息剤、カルシウム拮抗剤、AcE阻害剤などはすべて大型薬市場を形成しているが、すべて九〇年代前半以降成熟期に入っている。

 

 これらの薬効分野に主力製品を投入している製薬メーカーは、中期成長性という点では一枚割り引いて考える必要がある。

 

 なお、消化性潰瘍剤市場には近年、プロトンポンプ製品が新たに投入され、一定の市場は確保しているが、効き目という点ではⅢ型とほぼ互角であること、抗潰傷剤自体、成熟期に入っていることなどから、期待が大きかったわりに伸び悩んでいるとの見方もある。

 

 武田薬品の「アバン」(脳代謝改善剤)、第一製薬の「タリビット」(合成抗菌剤)、バイエルの「アダラート」、山之内製薬の「ペルジピン」(カルシウム拮抗剤)などピーク時年商が四〇〇億円を超え、市場拡大のけん引役を果たした製品がピークをすぎた市場は、成熟期に入ったと判断できよう。

 

 こうした市場には、新薬の上市も相次いでいるが、総じて競争が激しく、シェアを伸ばすのは容易なことではない。

 

 血圧降下剤もその一つ。成人病の一種とされる高血圧の患者数は今後も増加していくと思われるが、「血圧降下剤市場は激戦区の一つで、誰も成長市場だとは思っていない」という。

 

 一方、新たな成長市場として期待されているものには、高脂血症治療薬「フバロチン」三共)、「リポバス」(萬有製薬)〕、血液・体液用薬に分類されているエリスロポエチン〔「エポジン」(中外製薬)、「エスポー」(キリン・三共)〕、G‐CSF〔「グラン」(キリン・三共)、フイトロジン」〔中外製苦〕、診断用薬の低イオン性造影剤〔「イオパミロン」(シェーリング)、「オムニパーク」(第一製薬)〕、ホルモン剤の遺伝子組み替えヒト成長ホルモン〔「ジェノトロピン」(住友製薬)、「ノルディトロピン」(山之内製薬)〕などがある。

 

 これらの市場は、総じて競合品が少なく、製品の大型化、ライフサイクルの長期化が期待されている。

 

 このほか、激戦区になりつつあるが、血液・体液用薬の一種である末梢動脈閉塞症治療剤なども、依然、市場全体の成長性は高いとみられる。

 

 向こう五年間、九三年までに発売された主要既存薬の成長が期待できるのは、大手では三共山之内製薬藤沢薬品工業中外製薬の四社。他の五社は横ばい、あるいは苦戦しそうだ。