医療英語の翻訳会社BEST3

医学論文・治験文書・症例報告書・医療機器マニュアルなどの英語翻訳サービス

日本の大手製薬メーカー同士の合併はない

 

「ニー世紀には製薬メーカーは世界で二〇社しか生き残れない。日本企業はせいぜい三~四社」

 

 「ニー世紀に向けて、日本の製薬産業にも再編の嵐が吹き荒れる」

 

 このような怪説(?)が、まことしやかに噂されている。一寸先は闇だけに、こうした説も完全に否定することはできないが、現実のものとなる確率はきわめて低いのではないだろうか。 とくに、日本の大手製薬メーカー同士の合併は考えにくい。

 

 なぜか?

 

 それは、製薬産業がスケールメリットを追求しにくい産業だからだ。

 

 たとえば、武田薬品工業三共が合併しても、世界に通用する新薬を開発できるとはかぎらない。また、お互いのウィークポイントの薬効分野を補う意味で合併したとしても、それで直ちに万能企業に変身できるわけでもない。さらに、特定の薬効分野で一位と二位の企業が合併しても、その分野で独走できるものでもない。研究開発の重複によって、効率が下がる危険性も十分ありえるのだ。

 

 こと新薬開発という点では、スケールメリットはほとんどないといえよう。

 

 もっとも、研究開発費が少ない製薬メーカーは、それこそ“一発必中”を期するしかなく、リスクが大きいのも事実。この点からは、スケールメリットは十分ある。研究開発の効率は下がっても、最低適正規模コストだけは確保しなければ、生き残るのは難しくなりつつあることだけはたしかだろう。

 

 スケールメリットが最も発揮できるのは、むしろ販売面だろう。とくに、MRの数が不足しているような製薬メーカーは、合併によって販売力を強化できるので、合併メリットはある。

 

 とはいえ、大きければいいというものでもない。独自分野で世界トップになれば、中小メーカーも生きていける。ベンチャー企業にも、チャンスは十分あるというわけだ。

 

 革新性の高い新薬を開発するためには、スケールメリットを追求するよりもベンチャー企業との提携がベターという機運が、すでに欧米の大手製薬メーカーの間に広まっている。

 

 実際、ベンチャー企業の基礎研究レベルが既存の製薬企業の研究開発水準を上回っているケースも少なくなく、ロシュ、アメリカンホームプロダクツ、グラクソ、チバガイギー、ローヌープーランといった国際製薬メーカーが相次いでベンチャーを傘下に収めたり、提携したりしている。