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ビタミン剤投与問題に見る定額制の弊害

 

 いわゆる老人病院に入院している人にも、いろいろな症状の人がいるはずなのに、膨らむ一方の老人医療費を抑制するために画一的な対策(定額制)を講じれば、弊害が出ないほうが不思議なくらいだ。「財政のためなら、弱者は切り捨てろ」というのがオヵミの考え方なのだろうか。

 

 医療行政による画一的弊害は、ビタミン剤投与問題でも指摘されている。

 

 薬剤費の抑制は薬価(価格)に始まり、次に量、そして使い方にまで規制範囲を拡大しつつある。

 

 その契機となったのが、九二年四月から実施された、「入院患者にビタミン剤を投与することは原則認めない」という薬剤使用抑制政策だ。

 

 これは、通常の食事ができない患者を除いて、ビタミンB群およびC剤は投与しても保険の算定対象にはならない、という内容で、これ以降病院におけるビタミン剤投与は激減している。

 

 たしかに、食事がとれればビタミン剤は必要ないという理屈は成り立つかもしれないが、すべての患者を画一視することは危険が大きすぎる。

 

 医療現場からは、「本当にビタミン剤が必要な患者さんに対しても、ビタミン剤を使わないという傾向が強まっている」という報告も届いている。薬を使うべきか否かという判断は誰が行なうべきことなのだろうか。

 

 今後、算定できない薬剤の対象がさらに拡大することも予想され、そうなると製薬メーカーにとってはかなりの痛手になるとみられる。

 

 それよりも、患者の処遇のほうがもっと心配だ。

 

 薬漬けは論外だが、医療費を削減できればどんなことでもやるという姿勢もいかがなものか。