体形を変える手術の予後

 

 タミータックをはじめ、ボディリフトや脂肪吸引後には、ガーメントと呼ばれるかなり強力な下着を二、三ヵ月にわたって着用していただくことになります。

 術後の痛みは通常あまり強くないものですが、ときに一定期間痛みが残ることもあります。ただし、脂肪吸引の術後の痛みは個人差が大きいため、その程度を術前に予測することはできません。標準的な脂肪吸引を行った際は、二週間ほど仕事を休むとよいでしょう。

脂肪吸引後に気をつけること

 少量の脂肪吸引を上手に行った場合、その手術的侵襲は小さくてすみますが、ある程度以上の脂肪吸引を行った場合、その手術的侵襲は予想以上に大きくなる可能性があります。こうしたことを考えると、脂肪吸引は入院設備のある医療施設で受けるほうがよいといえます。

 また、この手術において、静脈血栓や肺塞栓、脂肪塞栓症候群といった重大な合併症の報告がないわけではありません。術後、発熱やがまんできないほどの痛み、意識の混濁などが  あれば早急な対応が必要です。

術後の体形を保つリハビリ方法

 脂肪吸引後に一定期間ごと、体外照射型の超音波もしくはLPG社のエンデルモロジカル療法のような理学的療法を受けることは、よりよい手術結果を保つうえで効果的だとされています。脂肪吸引をしたら終わりとするのではなく、そのあとのケアも大切なのです。

 このように考えてみると、理学的な処置でセルライトの治療を行い、ダイエットも心がけ、それでも残る脂肪層に対しては脂肪吸引を行い、さらに一定期間脂肪層の理学的ケアをしていく、という一連の治療過程が求められているのです。

 

脂肪吸引と超音波、麻酔

 

 脂肪吸引では、体外照射型と、カニューレの先に超音波を装置し脂肪を破壊しながら吸引するという、二つの方向から超音波が利用されています。

 大量の脂肪を吸引したり、また一度吸引された部位から脂肪を二次的に吸引しようとする際には、カニューレの先につけた超音波が有効に作用します。ただし、この方法は術後長期間にわたって痛みを残す例がみられることから、現在では必要に応じて行う方法と考えられるようになってきました。

 これに対し、体外から照射される超音波は脂肪の吸引を容易にし、より少ない出血量です  む方法として定着しつつあります。ただ、ほかでも述べているように術式は日々変化し進歩しています。

脂肪吸引における麻酔の方法

 少量の脂肪吸引は、局所麻酔下で行われます。局所麻酔剤は通常大量の溶解液によって薄められたもので、これを皮下に注入(トゥーメセント)してから脂肪吸引が施行されます。反対に、大量の脂肪吸引が予定されていたり、吸引の部位が広範囲にわたる場合には、全身麻酔が選択されることは珍しくありません。

 麻酔に関する処置については、担当医師と細かく相談する必要があります。とくに、局所麻酔下では安全に施行できる脂肪吸引の最大量は決まっていて、その量は思いのほか少ないと覚えておいてください。

脂肪吸引でセルライトを消せるか

脂肪吸引できる脂肪の層

 基本的に脂肪吸引が行われるのは深部にある脂肪層で、皮膚直下のものではありません。皮膚直下の浅い脂肪層に対する吸引法は一時広く行われたこともあったのですが、術後に皮膚表面に無用なデコボコを残す可能性が高いことがわかり、いまではあまり施行されなくな  っています。ただし、どうしても皮膚直下の脂肪層の吸引が必要な場合には、この手術に熟達している医師を訪ねる必要があります。

 一昔前には大きな顔を小さくする目的で、顔面に対する脂肪吸引が行われていた時代があります。しかし、顔面には吸引できる脂肪はごくわずかしかなく、なおかつ顔面には皮膚直下の脂肪層しかありませんから、この部分を無理やり吸引すると顔をデコボコにする可能性があります。

 このため現在では、顔面に対し脂肪吸引を行うことは少なくなっています。ただし、二重顎の解消や鼻唇溝直上の異常な脂肪の沈着には、吸引法は効果を発揮します。

脂肪吸引セルライトを消せるか

 セルライトとは、肌の表面がデコボコしている状態を指します。脂肪が多くて血行が悪いところにできやすく、主にお腹やお尻、太もも、ふくらはぎなどに生じます。

 かつて脂肪吸引の専門の医師たちが、セルライトを消すことを目的に皮膚直下の脂肪層に対する吸引を幾度も試みたことがありましたが、なかなか成果を上げることができませんでした。その後、セルライトに関する研究が少しずつ進み、いまではセルライトの治療目的に脂肪吸引を取り入れることはほとんどなくなっています。

 このセルライトの治療に関しては、多くの専門家がLPG社のエンデルモロジカルという理学療法の効果が高いとする研究成果を発表しており、現在はこの方法を含む脂肪吸引以外の理学療法に注目が集まっています。

脂肪吸引で肥満はなおせない

 

 肥満それ自体を脂肪吸引のみで解決しようとするのは、非現実的です。肥満はやはりダイエットやエクササイズのテーマです。

 たとえば、がんばって脂肪吸引を行ったとしても、そこで安全に吸引できる脂肪の量は五キロ程度です。いいかえれば七〇キロ、八〇キロある人から五キロそこそこの脂肪を取ったとしても、「スリムになった」と感じられる変化は得られないと思います。つまり、脂肪吸引法は標準を少し上回る程度の体重の人に適していると考えられます。

脂肪吸引が適しているケ-ス

 最もわかりやすいのは、比較的若い人で、腰や太ももの外側に脂肪の沈着がめだつケースです。このようなケースに適用すれば、希望に近い体形を得ることができるはずです。

 一方、ある程度年配の人で、皮膚の緊張が緩んでいることを理解しながらも皮膚の切除手術は嫌で、それでも太ももやヒップ、ウエストの周径を細くしたい人にもこの手術は適用で  きます。この際には、表面に少々のデコボコができることを覚悟してください。

 いずれにしても、体重が一定に保たれている状態に脂肪吸引は適しています。体重が激しく変動し、その変動がダイエットによるものならば、自分で維持できる体重になってから手術を考えるとよいでしょう。

脂肪吸引が効果を発揮する部位

 脂肪吸引は身体のいろいろな部位に用いることができます。

 なかでも最もよい適用部位は、女性であればスカートとTシャツに隠れる部分で、太ももの内側やお尻と太ももの境目を除いたところとなります。また、顔に近い部分では二重顎がよい対象となります。ふくらはぎの脂肪吸引を希望する人も多いのですが、これには多少の限界があるため、術者の経験を必要としています。

どんな結果が期待できるのか

 腹壁のインナーガードルが良好である男性の場合、脂肪は腹部に集中しており、しかも脂肪の量が単に減少すればよい人が多く、さほど難しいことはありません。しかし、女性は脂肪のつき方に個人差があり、どの部位をどれくらい吸引すべきかは個々のケースに合わせて決めなければなりません。

 このとき、どの部位の脂肪を吸引すればよりよい体形となるかを考え、吸引してよい脂肪層と残さなければいけない脂肪層とを区分する必要があります。具体的には自らの身体を鏡に映し、自分らしい曲線からはみだす部分を描き、そのはみだしている部分を吸引します。

脂肪吸引法の現状

 

 脂肪吸引法はアメリカで最も流行している美容外科手術の一つで、その研究も盛んに行われています。日本でも、脂肪吸引法が施行されるようになって、約二〇年が過ぎます。

 一方、この手術が原因とも考えられる死亡例をどこかで聞き、不安を感じている人がいるかもしれませんが、最近の研究では一度に大量の脂肪を吸引することさえしなければ、安全度の高い手術であることがわかってきています。

脂肪は身体の大切な一部

 自分の脂肪層から豚の脂身を想像し、これをなくしたいと思っている人が多いことは容易に想像できます。

 この脂肪層細胞の数や配置はあらかじめ定められており、一つ一つの脂肪細胞が大きくなることで脂肪層の厚みも増していくと考えられています。そのため、脂肪吸引法である程度の脂肪を除去すれば、かなり永続的な痩身効果を得ることができるはずです。

 しかし、脂肪層は血が通いリンパ液も流れる立派な生きた組織ですし、人間が生きていくために必要な組織の一つですから、やたらに脂肪吸引してもよいことにはなりません。

 また、特異な場所に生じる脂肪の異常な沈着は年齢や遺伝的な要素と関係し、体形を崩すもとになるとも知られています。このような脂肪層は、ダイエットでの減量が難しいことも多く、脂肪吸引法のよい対象となります。

脂肪吸引法と皮膚の緊張

 太ももの内側のように比較的皮膚の柔らかい部位や、張りを失ったお尻や太もも、あるいは皮膚線状と呼ばれるストレッチマークがある部位などに極端な脂肪吸引を行うと、術後、デコボコが残りやすいことが知られています。

 したがって、皮膚の緊張が弱まっている人は脂肪吸引に対し、過度の期待をもっべきではありません。場合によっては、ダミータックやボディリフトが必要になるはずです。

 これに対して若年者のように張りのあるお尻や太ももの外側などは、ふっう皮膚の緊張が保たれており、脂肪吸引によってよい結果を残す可能性が高いといえます。

 いずれにしても皮膚の表面がスムーズになる結果を得るためには、一定以上の皮膚の緊張が必要です。

 

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自動翻訳のトランスファー方式とピボット方式

 構文構造の解析と意味構造の解析

 これはどういうことかというと、まず形態素解析を経たものが、文法的にいかなる構文であるかを解析する。たとえば、「そのような税制は導入しない、ということは公約したとおりであり、現時点ではまったく考えておりませんが、しかし、財源を考慮すれば、かならずしも導入はないとはいいきれない、と考えていないわげではない、と申し上げてさしつかえない」という、十重二十重の否定が、文法的には否定文であるのか肯定文であるのかを認知することである。

 同時に、意味が適当であるか否かを見る。たとえば「きのう食べたコンクリートアスファルト煮はおいしかった」というのは、文法的には正しい。しかし、意味としてはおよそありえない。かりにソース言語文の単語の組み合わせでこういうおかしな文ができても、意味構造として適当であるか否かをチェックするのだ。

 この構文構造解析と意味構造解析が終了すると、変換のプロセスとなる。構文構造にしたがい、また意味構造にしたがい、一定の規則のもとに英語に変換されるわけだ。

 規則というのは、ソース言語とターゲット言語の照合のための、いわば和英辞書・英和辞書をはじめとするソフトウェアである。これを「トランスファー規則」という。それから、変換処理されたものを英語の構文構造、意味構造にしたがって、ターゲット言語である英語文に変換する“生成プロセス”となる。これが、本格的な実用型自動翻訳装置として主流をなしている”トランスファー方式″である。しかし、この方式にも問題がないわけではない。

 というのも、和英と英和という二言語のみを対象とする場合はともかく、日本語からドイツ語、日本語からフランス語、日本語から韓国語など、複数語間の翻訳となると、それぞれに合致したトランスファー規則を用意しなければならない。人間でいえばバイリンガルどころか、マルチリンガルの語学力が必要ということになる。だが、世界中で数百もある言語の、そのすべてのトランスファー規則を装備するのは合理的ではない。まして通訳電話として考えると、そこまでのシステムを組み込むのはちょっとむずかしい。

 そこで″ピボット方式″というシステムが考えられた。NECの自動翻訳はこの方式である。これは、構文構造解析と意味構造解析から変換プロセスに入るのではなく、“中
間表現”という日本語でもなければどこの国の言語でもない、エスペラントでもない、まったくニュートラルな、概念としての構造にいったん置きかえるものだ。言語にはいっさい依存せず、たとえていうなればソース言語文の内容を図式化したようなものである。

 それからこの中間表現を、あらためてターゲット言語特有の表現と規則に照合し、構文構造を生成し、形態素を生成してからならべかえ、翻訳終了となるのである。つまりはソース言語から中間表現までの解析プロセスとは逆の、生成のプロセスをたどってゆくわけだ。

 したがって、ターゲット言語を変えるときは、この生成プロセスを交換すればよいわけだし、また複数のプロセスを装備すれば、一つのソース言語から同時に複数のターゲット言語にも翻訳できる。しかし、もっと重要なのは、情報伝達が中間表現で行われれば、世界各国の電話システムは自国語の解析と生成の機能をそなえるだけで、すべての言語と相互の通訳会話が可能になることだ。これがピボット方式である。

機械通訳システム:声音で意味が変わる音声合成のむずかしさ

 通訳電話における機械翻訳としての機能では、音声認識音声合成も重要である。特定の個人の声を認識できるだけでは、電話としては都合が悪い。誰の声でもきちんと認識してくれなくては困るし、一つの単語でも人によっては訛りもあれば発音の癖もあるが、それも聞きとれなくてはならない。しかも特定の個人の声でも、話の内容しだいで抑揚も変化する。

 また音声合成の段階で、同じ甘葉でもその声質によって意味がまったく変わるので、そのへんも考慮しなくてはならない。「この子ったら行儀の悪い子ね!」と母親が叱る言葉も、ほろ酔い気分でよりかかってきた女性が、流し目で「あなたって、いけない人ネ」というのも、英語に訳せばYOU ARE NAUGHTY BOY.である。音声も抑揚も同じ調子では、いったいなんのことやらわからなくなる。

 文の前後の関係から、合成される声の質も、内容に合致するよう変化する必要がある。もっとも、通訳付きで「いけない人ネ」といわれても、そこから先へは進めないだろうが。

 NECにおける現在の開発は、もちろんそうした段階まではいってないが、基本的な技術はクリアーされて、あとぱ半導体のキャパシティーが増加するのと歩調をあわせてすすむことになりそうだ。

 ただ、ビジネス関係と技術関係に限った内容の通訳電話の実用化は、そう遠くはないだろう。それにポータブルの自動通訳装置の登場は、今後10年以内と見こまれている。これだけでも、人間のコミュニケーションに、劇的な変化をもたらすことは確実だ。海外での取材辛打ち合わせなど、いまから用途を考えたくなる。